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21時、今日も仕事を終えて、やっと帰宅した。
毎日毎日同じ事を繰り返す。

土日は休みだけど、特にやることもなく、たまに買い物をするか友人とお茶をするくらい。
思い返せば、本当に変わりの無い日々だった。

そして今日も変わらない。
別に死にたいとか、そんなことを思っているわけではないけれど、何のために生きているのかわからない。
仕事をして、お金を稼いで、人並みに使って人並みに貯めてる、と思う。

やりたいことも特にないし、何となく過ごして、何となく一日が終わって。
そのまま何となく一年さえも終わる。
空しい、と思う。

楽しいことがまったくないとかではない。きっと夢中になれるようなものがないんだと思う。
思えば小さい頃から、どこか一歩離れたところに自分はいた。
クラスの中でも、友人の中でも。
決して友人がいないのではなく、自分とは関係の無いことと思いながらも、孤立することが怖かったから、本心じゃないのに、周りと同じように笑って、同じように悲しんで。
孤立するわけでも目立つわけでもない、そんな存在の自分をつくっていた。

つくりすぎて、自分がわからなくなった。
社会人になってまで自分がわからないだなんて、周りが聞いたら笑うだろうが、わからないのだ。
何がしたいか、どう生きていきたいのか。

このまま一生が終わるのは嫌だ、とだけ。
それだけは確かに思っている。

ただ、きっとこの生活は変わらないだろうなんて思いながら、布団に入る。
明日は休みだから、目覚ましはかけないでいいか、ゆっくり寝よう、そこで思考は途切れた。


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