たまにはこんなのもアリでしょ?



※本番なし・微えろ注意







今日もひとり、明かりもない練習場でボールを蹴っていた。
これはいつものことであって、昼間疲れた日は早めに戻るのも、いつものことである。
そして誰もいないシャワールームに足を進める。
それが毎日の決まりみたいになっていた、が。

「あ、」
「あ?」

今日はいつもと違った。

「かっ、監督!」
「よう、椿。こんな時間まで自主練か?」
「は、はいっ」

ご苦労さん、と言って頭をポンポンする監督は、今や俺の恋人でもあって。
何やら気恥ずかしいものが込み上げてくる。

「監督も、シャワーですか?」
「そ。今日は早めにしとこうかと思ってね、まさか椿と同じタイミングとは思わなかったけど」
「す、すいません…」
「いーよ、謝んなくて」

優しい目を向けられる。
と同時に、少しだけ顔が熱くなるのが自分でもわかる。
なんだか乙女心みたいで複雑だ。
とりあえず汚れた衣服を脱ぎ、早く汗を流そうとシャワー場へ足を急かす。
個別になっているシャワー室のドアに手をかけたところで、ふと逆の手をつかまれた。

「つーばきっ」
「!」

監督に名前を呼ばれたので振り返ってみると、すぐ背後に来ていたその姿。
グイッと手をひかれて体勢を崩したかと思うと、個室のシャワー室に男二人で入る形になってしまった。
よくわからない状況な上、とにかく監督が近い距離にいることに、顔がみるみる赤くなっていく。
そもそもお互い肌をあらわにしてることが悪い、どこに目を向けたらいいんだ。
いつも以上に頭が混乱しているのをよそに、監督は俺の首筋に手を滑らしてきた。

「ひっ、か、監督…!?」
「ンー?」
「あの…シャ、シャワーは…」
「するよ、今から」
「へ、?」
「とりあえずね、椿くん。俺最近溜まっちゃってんだけどー…、そんな体見たからには、もう我慢できないわけよ」
「は、」
「だから、身も心もスッキリして、互いに気持ち良くなろって」
「…はい!?」

ニヒーと悪い笑みを浮かべる監督の言葉はつまり、ここでシよう、ってことで。
頭の悪い俺でも理解できてしまった。
なぜだろう、背中に嫌な汗が伝った気がする。
変なことにいきなり緊張し始めた俺を尻目に、監督は鎖骨に唇をつけて跡を残す。
チリ、とする感覚に早くも反応してしまう自分の身体が恨めしい。

「あ、かっ…監督!」
「なに、椿。嫌なの?」
「い、嫌というわけではっ…ただ、ここだと、誰か来たら…、その…」
「誰も来ないよ、こんな時間にー」
「で、でもっ…!ひぁっ、」
「綺麗にしてやんよ、ぜーんぶ」

ボディソープが体に垂れた瞬間、その冷たさで声を上げる。
それが反響するのか、シャワー室に自分の声が響いてしまった。
ハッ、と気づいて手で口を塞ぐ。

「ん、ふっ…」

片手は壁に手をつき、もう片手で口を塞いでるために、監督は好きに俺の体をまさぐる。
ボディソープを少し垂らしたところを手で滑らせ、ヌルヌルした感触が直に伝わってくるのが体をいちいち反応させてしまう。
快感に涙をためながら監督をチラ、と見ると、楽しそうなのになんだか切羽詰まったような表情を浮かべている。
監督も興奮しているのだろうか。
改めて考えると、かなり恥ずかしくなってきた。

「あ…っ、やぁ、」

ヌルヌルの手で胸の突起を弄られる。
たまらず声を出してしまうと、その隙をみて監督は口を自分ので塞いだ。
少し息が苦しいのと、舌をいれられて絡みとることに精一杯で、体の力が抜けそうになるのをこらえる。
無意識に監督の体に手を伸ばしたら、密着するような形になってしまった。
監督の手は未だに止めることを知らず、グリグリと突起の先端をしつこく責める。

「は、あっ…かんと、くっ…」
「可愛い、椿」

ビクビク体を震わせる、俺を見る監督の目には、熱がこもった妖しい光。
息の荒い様子が珍しくて、少し愛しく思えた。
監督もきっとツラいんだなあ。
同じ男として、ツラさはだいたい分かる。

「ふふっ、」
「何、笑ってんの、椿くーん?」
「あ、いやっ…」

つい笑みがこぼれてしまった。
それを見てか、監督は意地の悪そうな顔をして手を下へ下へと滑らせていく。
骨張ったヌルヌルの両手が自分の体を弄る様は、何ともいえない感触で、下半身に自然と刺激を与えてしまう。

「あっ、んあぁ…っ」
「椿のここ、もう勃ってる」
「や…っ、あ、」

膨らんだ自身の元へ辿り着いた手は、形を確かめるようにやわやわとソレを握りこむ。
そしてゆっくりと上下に扱い始める。
ヌルヌルしたのが手伝って、先走りの汁も混ぜるように擦っていく。
自分の体と監督の手がヌメリで覆われていて、何だかすごく卑猥な光景だ。
はっ、はっ、と息が上がる俺を見て、ゴクリと監督の喉が鳴るのがわかった。

「ね、椿」
「はっ、い、?」
「俺も一緒に、気持ち良くなっていーかな?」
「ふっ、ぅん、…っへ?」

ボンヤリする頭で見えたのは、監督の笑みと監督の、モノ。
驚きを隠せないまま目を見開いていると、自分のモノと監督のモノが重なるように手の内に収められた。

「ヒィッ…!」
「ちょっと、その反応は失礼でしょーが」
「だっ、だって…、大き…っ!」
「…お前ねえ、そーゆう煽るようなことは言うなって」
「ぅえっ!?」
「ハイハイ、どうせもうおっさんですよー」
「そ、そんなこと…、っああ!あ、」
「クソっ、可愛いなあー」

二つのモノが握り込められている手が上下に動き出す。
ヌチョヌチョと粘っこい水音が耳に入ってきて、更に顔が赤くなった気がする。

「あ、あっ、か、監督っ、」
「は、っ」
「は、恥ずかし、いっ…!」
「はっ、今さら…、そんなこと、考えられないように、してやるよ!」
「うぁっ!あっ、ああっ、」

時々指で先端を弄る行為が、射精感を促す。
二つのモノが固く、膨らむ様がよく分かってしまい、体へ伝わってくる刺激が強すぎる。
ボロッと涙が溢れたのと同時に、限界が近いことを意味して自身がドクン、と脈打った。

「あ…っ監督、もう、ムリ…ッ!」
「っし、イっちまえ」

グリ、と押された瞬間、白濁が吐き出された。
次いで、監督のモノも。

「ふっ、あ、あああっ!」
「くっ…、」


監督の手の間から二人分の精液が零れ落ちる。
ハア、ハア、と息を切らしながら動かないでいると、シャワーを捻った音が聞こえた。
ザアアア、と足元を湯が流れていく。
スッキリしたような疲れているような、もうなんだか眠たくなってきた。
そんなことを考えながら目を閉じて息を整えていると、不意に頬に手がそえられた。

「椿、つーばきっ」
「…はい、」
「あ、起きてた起きてた」
「監督…」
「ン、」

チュッ、と軽く口づけをしたあと、名残惜しげに体を離しシャワーを当てられる。
先程までの行為を思い出してみるとまた熱がこもってくるので、早く終わらせよう、とシャワーに専念した。



「椿、このあと俺んとこ来い」
「へっ!?」
「明日はオフだしー、今夜は…」
 

寝かせねえよ?

ニヒヒーといつもの悪い顔を浮かべる監督に、もう寝たいです、と言っても多分聞いてはくれないだろうなあ、と静かに息をつく。

好きな人と過ごすことはとても嬉しい、が。

「(なんで監督はそんなに元気なんだろうか…)」


頭にハテナを浮かべながら、静かに、二度目の息をついた。




(ホントは一回ここでヤってみたいんだけどね)
(はいっ!?)
(後始末も楽だしさー、潤滑油もいらないし)
(ちょ、か、監督!!)
(ま、またいつか機会がありそーだしね)
(ええええ…っ!)




110116



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -