赤い果実は熟れた


 
「留三郎って字の中に私の三郎って字が入ってるんですよ」
「…だから、何だ?」
「だから、抱かせてください」
「……は?」
「留三郎の中に三郎ですよ?ね、先輩。運命、感じません?」
「感じないね」
「ねえ、先輩」
「来るな、触るな。近寄るな」
「抱かせてください」
「うるさい。そんな理由で、後輩に抱かれてたまるか」
 
留先輩の言うことはごもっとも。
なんて、貴方との共通点がこれくらいしか見つからなかったのだから。
 
「すいません留先輩。言い方が少し遠回りで直球すぎました」
「本当にな」
「私が言いたかったのは、そうじゃなくて」
 
本人を目の前にして動揺するなんて私らしくない。
きっとひどい顔をしてるんだろうなあ。
留先輩まで、赤くなって。
 
「可愛いですね」
「…俺は男だ」
「知ってます。けれども」
 
何年目で追っただろう、貴方の姿を。
凛とした綺麗な貴方に、何回触れたいと思っただろう。
 
「好きです、留先輩。好きなんです」
 
切羽詰まった言い方。
笑った、留先輩が目の前にいる。
 
私は、今どんな顔をしているだろう。
 
「…物事は、順序正しく言えよな」
「留、先輩?」
「あと、泣くか笑うかどっちかにしろ。見てるこっちまで恥ずかしくなる」
「…あい」
 
熱い、留先輩が触れる手が、熱い。
 
「俺は、お前が好きだから」
 
だから――
 
その後は、皆様のご想像にお任せ
 

投げやり途中


100818



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -