タンバキ



「ホットケーキ?」
「ホットケーキ、」
「プリンアラモード…」
「ホットケーキ」
「…丹さん」
「ホットケーキ二つ」
「さっきまで、プリンアラモード食いたい、って言ってたじゃないですか」
「ええ?言ってたっけ?」
「言ってました、店に入る前にも」
「ホットケーキが食いたくなったのー」
「で、俺もホットケーキ…」
「え、嫌いだった?」
「いや、好き、ですけど、」
「こーゆうとこで食うホットケーキが美味しいんだよ、ちゃんと生クリームもあるし果物だってあるし」
「はあ、」
「俺だってシャレたもん食いたいんだよー、ハズいじゃん一人だとさ、この歳でこんな店」
「え、だから俺、連れてきたんスか」
「ん?いや、デートデート」
「笑ってごまかさないでください…」
「ハハ、ちゃんと夜可愛がってやるから。ほら、来たぞ」
「う、」



「美味しい、です」
「うん、もー俺幸せー」
「甘いの好きなの、想像つきませんね、丹さんって」
「ええ?好きよー?甘いのも、椿も」
「うはっ、やめて、ください」
「そこで笑うか」
「だっ、丹さんが、」
「いーよいーよお前可愛いもん」
「ふ、丹さんも、可愛い、っスよ」
「ええー?どこがあ」
「ホットケーキ食ってるとこが、」
「どうせもう31だもんねー」
「拗ねないで、ください」
「拗ねてませんヨー」
「子供じゃないんですから、」
「椿の前では子供でいたいのー」
「あはは、」
「椿、あーんして」
「はい?」
「口開けてー」
「え、ここ、外…」
「はい、あーん」
「う、あ、あーん…」
「うん、いい子いい子」
「ん…、丹さん、生クリーム多」
「ここついてっぞ、つばきー」
「うむ、」
「はい、お約束ね」
「…子供、じゃ、ない、じゃないっスか」
「ん?そりゃあー、大人だもの」
「そ、そんなのズルイっス…」



周りの客が空気 な
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