金貨

褪せた御本の途中に見知った御伽話と知りながら、
きれの無いファセットの、肌理の粗い断面に、目を凝らしまして。
愚か者のきんが烏の羽根を生む前に、まだ余裕がありましたので、
頭を抱えて怯え、高鳴りを抑える為に蹲るのでした。
金色の髪に薄い下着。
まるでお決まりのimageが、其れでもいつに為っても有りましては。
素敵な事、と云う不定形な輪郭が、そよそよ揺らいで、
その内に、ぴかぴかぱちぱち、ちいさく弾けては歿(シ)んで往くのでした。


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