百科博物館 改
剥製が
目先に
横たわっている
艶消しの暗い壇に、一枚ガラス(宙の数分の一、水族館の水槽よりは厚手)を隔てる。甘やかな怒声が響く部屋。
後ろ隣の二人連れ(性別はふめい)は、「私も飼っているよ」と片割れが胸を割き始める。あれは、貴方が好きな色。
【む】
私は彼の皮膚が好い。染みの目立たないその皮膚は、撫でれば溶ける、確かそうに違いない。(触った覚えがあるようなないような)
そうこう方々眺める内に、私は、涙の使用方法を忘れてしまった、模様。
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