HAPPYYYYYEND

ポットの中で、知らない方が好い事は知らずにいてね。
厚みのないポットに、冷めたお湯がいっぱい。

糸と糸を繋げる、切れる前に戻すだけの微かな魔法で、
三日月の弓が、少しずつあの日に還る奇跡。

秘密の為に、ゆっくりと強制する夜の粒子、
緞帳には金の刺繍の星が一面、拡がっていた。

あんなに愛していたダイヤモンドも手放して、
剥げた靴、けばけばしいコート、繕ったリネンのマントを手に。

出口でニカイテン、ヒネリ、チュウガエリ。
悲しませるのが得意なのね、まるで昔のあの人みたいね。


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