迷いの森で

うさぎの眼は日溜まりの深い深い茂みに倒れ込む戴いた花冠を取り落とす仲間と追跡者の周囲を蒸す程に熱く異様な狂喜の熱から生まれた立ち上る蒸気の影を追う。

叫べよ!

否、歓声を失念した。


何度何度目の当たりにしようと靄か霞にぼやけた暗く時折閃く底無しの孔の奥でまるで無いかの様に在る片鱗さえも一向に掴めずに無駄な徘徊を続けるのなら。

閉ざせよ!

俄、潔癖症を患う。



[ 103/106 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -