コウモリ

また嘘。

するする、紐を引いて早く帳を下げよう、足先まで隠すように。

夜に紛れた筈が悪目立ち、珠の眸は、蜜蝋に点した炎。

寒い、と呟く。
いつの間に衣服を脱いでいたのだろうか。

また嘘。
いつ迄の?

コウモリから漂う匂いにむせ、羽に浮かぶ血管に手が震える。

神には為れ無いと、彼にとっての神が言っていたんだ。


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