休日に珍しくバイトが入っていないことにきづいてなんともなしにその事実を呟くと先程まで俺の膝を椅子にして机に俯せになっていた所謂俺の彼女である加奈子が嬉々として顔をあげ、「じゃあデートしよう!」と言ったのは昨日。
迎えに来いと言われ指定の時間に彼女の家を訪れると彼女似の母親がにっこり笑い家に上げてくれた。軽い挨拶を済ませ、慣れたように階段を上がり彼女の部屋の前でノックする。返事は無かった。
こりゃもう屍だなと帰ろうか迷っているとたった今起きたと言うような声が扉の向こうから聞こえた。



「よーちゃん…?」



呼ばれては仕方ないと扉を開け、ふっくらと出っ張っている布団に近づく。



「かな、デートじゃないの?」
「うーんさむーい。」
「じゃー俺帰るぞ。」
「やらー!」



そう言いつつも一向に布団を出ようとしない彼女を見て溜息をつく。仕方ない。



「なんか奢ってやるからはよ起きろー」
「本当!?」



言えば先程までごねていたのは一体なんだったのか、がばりと起き上がると服を脱ぎ捨て着替えを始めた。
着替えの一部始終を眺めて終わった事を確認すると先に部屋を出る。その後に続いて彼女が部屋を出ると腕に手を添えた。
彼女は俺を見てにっこり笑うと奇妙な笑い声を上げて言った。



「かなゆきんこ食べたい!」



寒いのはどこに行ったと言うツッコミを飲み込んで代わりに溜息を漏らす。とりあえず最初の目的地はコンビニだなと玄関を出た。





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みじかい。

100925

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