変態マネージャー



すごい行列でもカラフルな頭は目立った。私達は8人全員で横に並びお賽銭を入れると
パンパンッと手を打ち目をつむった。
 「ねえねえ桃井ちゃんは何てお願いするの?」
 「えっ・・・そ、そうだな・・・・・・テツ君と幸せになれますように・・・とか?キャァーッ!!変なこと言わせないでよもう!!」
という先ほどの会話が記憶に残っている。今年も帝光が全国制覇できますように・・・と願って目を開けた。
我ながら欲のない願いである。本当はもっと違う願い事がよかったな。スタメンの体的な意味で。


帰り道、屋台が開かれていたのでそこで紫原君と私はチョコバナナ、桃井ちゃんはクレープを買い歩きながら食べていた。

 「皆、どんなお願いしたの?」
青「胸のデカい彼女が出来ますように」(一生できねえよ諦めろ!!!)
緑「今年も無事に過ごせるように願っておいた」
黒「そうですね。僕も何事もなく過ごせたらそれでいいです」
黄「結構みんな質素なんスね」
紫「バケツプリン食べたいって言っておいた」
桃「むっ君らしいね♪」
 「赤司君は?」
赤「自分の願いとは人に言ったところで叶うものじゃないだろ?」
 「ふっ、深いね赤司君!!!!」
赤「それに俺の願いは凡人には理解できない。先駆者の考えは常に周りには理解しがたいことだからな」
 「そっか。じゃあ私は赤司君の言葉が理解できるように"先駆者"になれますようにってお願いし直してこようかな」
赤「勝手にしろ。お前が先駆者になることはないだろうけどな。賭けてもいい」
 「なんか赤司君、今日イジワルじゃない?ヒドい言い方!・・・あ、分かった。」
赤「別にいつもと変わらないだろ?」
 「昨日の年越しそば赤司君だけ届けてもらえなかったんでしょ?」


青「あ」黄「あ」紫「あ」黒「あ」


赤「・・・・・・・・・・・。」
 「え?マジで?図星だったの?赤司君だけちょっと家が遠いから届けてもらえなかったの?」
黒「名前さん・・・それ以上はッ」
 「赤司君、意外に寂しがり屋だからなぁ・・・そういうのやっぱり気にしちゃうタイプだったん・・・ヒギャ―――ッ!!どっからハサミ出したの?!しまって!しまってよ!!」


私のことを今までにないくらい睨み付けてハサミを持っている赤司君。
そんなに怒ることでもないじゃん。冗談つうじないんだからまったくもう。


黒「あの赤司君。よかったらこの後・・・一緒にごはん食べに行きますか?」
赤「気を遣わなくてもいい」
黄「いいじゃないッスか!俺達が一緒に食いたいんスよ!どっか寄ってくッスか?」
 「私オムレツ食べたい!!」
青「俺ステーキ」
紫「ケーキ食べたい」
黄「あ、赤司っちは・・・?」
赤「・・・・・・なんでもいい」
 「赤司君、私を食べる?食べてもいいよ性的な意味なら!!」
赤「死んでもお断りだよ」
 「そうだよねぇえええええ!!」
青「あーぁ、あと2年も変態と一緒かよ」
 「なんだよ嬉しいだろ?!」
緑「俺なんか何年も一緒なのだよ。疲れることこのうえないのだよ」
紫「俺は名前ちんのこと好きだよ。一緒にいて楽しいし」
 「わああ紫原君大好きッ!!!愛してるッ!!」
緑「単純馬鹿め」


そんなの分かってるさ。桃井ちゃんも含めてスタメンがこんなに大好きな私は単純馬鹿だ。
なにが好きなのか分からないけど、とりあえず大好きなんだよ皆のこと。だから今年1年も一緒にいようじゃないか。


(あ、年賀メール・・・)(まだ作ってなかったんスか?!)



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