「ねえ、あなたにはどんなお友達がいるの?そのお友達と私は、お友達になれるかな?」


『もちろん、なれるよ、だって、あたしのおともだちだから、だいじょうぶだよ。』



そう言って私の膝に座っていろいろ聞かせてくれる。

それは様々で、途中からなんだか眠くなってきて話が途切れ途切れになり、いつしか聞こえなくなってしまった。

意識は遠のいてふと意識が戻った時のは真っ黒で薄暗い場所にいた。

そこはさっきよりも気持ちがすごく落ち込んでくるくらい不安でいっぱいになってきた。

怖いわけじゃない、不安で押しつぶされてしまうんじゃないかってくらいに、自分の体が震えているのがわかった。

ここはどこ…?怖い、悲しい、寂しい、誰か…誰か…。


その時、また頭の中で声が響き、声に意識を集中させるが、あまりのも聞き取れなくてわからない。


誰かの名前を呼ぶ声、その声は”名前”と呼んでいた。

名前?名前とは誰なのだろう?


誰なのかと声を出そうとするが、声が出ない。

名前、と呼ぶ声が大きくなってきた。

それはいつしか反響して耳をつんざく音に変わって目の前に人影が現れる。



『ねえ…名前は、一人でも、大丈夫よね?』


『ここはね、とっても、楽しいところ、いつまでも、同じ姿で居れるの、なんにも、怖くないよ。』



『だから、おいで?最後は一緒に…』そう言って手を伸ばしてきた影は私の手を掴んでいつの間にあったのか、穴の中に私を誘う。

小柄な影だというのに力が尋常じゃないくらい強くて、逆らうことができない間に穴の中に無理やり放り込まれる。


思い切り体をぶつけて所々が痛いが、なんとか立ち上がり周りを見てみると人形やマネキンの首、無個性ばかりで寒気がしてきた。



「じゃあ…ギャリーのバラと交換して?」



声が聞こえてそちらを向いたら見たことのある三人組が何かしている。

二人は焦っていて、もうひとりは笑顔で答えを待っている状況だった。


三人に近づいて行ったら、背の高い人は私を見た途端に驚いた顔から笑顔に変わったと思ったら、金髪の女の子が私に気づいて振り向いって微笑んだ。

二人に向ける笑顔とは違う、愛嬌のある可愛い笑顔だ。



「名前お姉さま!!」


”名前お姉さま”とその子が言った途端に残りの二人は呆気にとられていた。

その子はそのまま私に抱きついて頬をすり寄せてきた。

そんな私は思い出しそうになる頭を必死に動かすが、なかなか思い出せない。











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