真っ白な空間。

あれ、私、何していたの?

そう考えて、また、なんで考えているのかを考える。

真っ白な空間で、何かがある、でも分からない。

私は立ち上がって周りを見回すが、何も見当たらないしどうすればいいか考える。


するとしばらくして何かがうっすらと見えてきた。

何かに惹かれるように私はそのある場所へとふらつきながら近づいていく。

そこには一つの可愛らしい人形が置いてあった。

私は座り込んでジッと見詰めていたら『おはなし、しよう?』と言ってきた為、私は頷いてお話をする。

可愛らしい人形はお友達の事は自分には好きな人が居ると、話した。



「因みに、好きな人はどんな人?」


『とってもやさしいよ。とっても。』


「そう…それはよかったね。」



『あなたは?』と聞かれて私は首を傾げた。

私に、好きな人?

居たような、いないような…そこまで考えていたら、頭の中が真っ白になる。



「私…居ない、かな。」


『そっか、すきな、ひと、いると、しあわせ。うれしい。』



『だから、すきなひと、つくってね。』と可愛らしい人形は微笑んだような気がしてお礼を言った。

でも、やっぱり私の頭の中にはシルエットらしきものがあるのに、それがはっきりしない。


誰?あなたは誰?

…私は誰なんだろう。

私は、そこで疑問が沢山生まれる。

私はどうしてここに居るのだろう、私は誰なんだろう、私は…。



『ねえ、あなたは、おともだち、いる?』


「ともだ、ち…?」



ああ、そんな人、欲しいと思ったことはあるかな…でも、正直居なくてもいいかなって、思ったりもする。

そう可愛らしい人形に伝えると『おともだち、たいせつ、いると、もっと、たのしいよ?』と告げてきた。


私はそんな可愛らしい人形をじっと眺めていたら、お互い無言になって、見つめる形になった。



『あたしが、おともだちに、なってあげようか?おともだち、いないんだよね?』


「…そうだ、けど…いいの?私、あまり笑わないし…感情を表に出せないから…。」



『だいじょうぶ、きっと、これからだよ、よろしくね。』と私に手を差し伸べる。

その手を取ろうとしたとき突然後ろから抱きしめられる感覚がした。

振り向いてみるけれども、誰もいなくて首を傾げていたら可愛らしい人形がどうしたのか聞いてきたので、何でもないと告げて改めて手を取ろうとしたら今度は揺さぶられた。

微かに声が聞こえてくる、しかしよくわからなくてじっと声に耳を傾けるが、やっぱりよく聞こえない、ずっとそうしていたら可愛らしい人形が『やだ、やだよ。』と言い出した。


その時大きく唇が塞がれた感覚がして話せなくなる。










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