階段を降りていくと薄暗く、多少紫色の廊下に出た。

進むと左側からドアを叩く音が聞こえてきたので、何故か私とイヴがドアの前に行き見つめた後イヴが鍵穴を覗いた。

暫くして『何も無いよ。』と言ってギャリーはイヴの後を追い掛けて行ってしまった。

私はその後ろ姿を見送ったあと、鍵穴を覗いてみた。

やっぱり何も無い、と思っていたらいきなり真っ赤に染まる。



「っ…!」



声が出ることなく私はその場にへたり込んでドアの鍵穴を眺める。

何も起きていない、けれど鍵穴からは真っ赤で何かの半液状のものが垂れていた。


気になって近付いて触ってみようと思ったら、後ろから肩を掴まれて、大きく体を揺らして振り向くとギャリーが『何してるの、名前?』と少し怪訝そうな顔で私を見てきていた。

その後ろには、イヴが心配そうにして私を見てくる。


私は鍵穴のことを言おうと鍵穴を見たら、何もなっていなくて暫く見つめたあとに何でもないように首を横に振った。



「本当?何かあったんじゃないの?」


「…なんでもない、見間違い。」



『…なら、いいんだけど。』と私を見詰めてくるギャリーを見詰め返せずに、俯いていたらイヴが覗き込んでただジッと見てきた。

何事かと聞こうとしたら左目を指差された。



「目、大丈夫?」


「え…?」



ギャリーも気になったみたいで私の左目を見詰めてくるが、何もないらしくイヴに告げている、しかしイヴは何かあるんだと言っていて私は左目に触れてみる。

触れてもなにもない、どこかに鏡はないかと部屋を回ると奥に鏡があったので覗いて見ると左目だけ瞳の色が多少赤く染まっていた。

ギャリーには分からないらしく『何もないじゃない。』と言っているが、イヴには分かるみたいで『ギャリー、変。』と返したらギャリーは少ししょんぼりしてしまった。


私は鏡に映る自分が不気味に感じた。

今は二人の相手をしてられない、自分の姿が、…。



「まあいいわ、今はとにかく進みましょう。」



ギャリーのその言葉にハッとして私は鏡から顔を逸らした。

イヴは頷いて『行こう?』と私の手を握り、誘導するかのように一緒に歩いていく。

その後ろからギャリーがついて来る。


暗号を解いて、鍵を開けて、部屋に入ると、そこには『決別』という絵があった。











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