「赤い、わね…。」


「……真っ赤…。」



真っ赤な廊下を進み、真っ赤な部屋にたどり着いた。

『あ』『ん』と題された作品が両側にあり、他は赤い服の女やいろいろあった。

私は赤い服の女をジッと見詰めていたら、なんだか見られている気分になり、離れたらガラスが割れる音と何かが落ちる音が聞こえて振り向いてみた、そこには赤い服の女が私を見て怪しく微笑んでいた。

相手も私も数秒動かずに居た後、私は思い切り走り出す、そしたら這いずるような削るような音をさせながら追い掛けてきた。



「ちょっと名前…!?」


「知らない…私は、知らないよ…!」



一生懸命首を振って本当に自分がやった訳じゃないと否定しながらも、赤い服の女はギャリーには見向きもせず私を追い掛けてくる。

するとギャリーは何か見付けたのか、鍵を拾ったと知らせてくれたのだが、私は追い掛けられてるので必死で何も答えられずに『あ』『ん』の周りを行ったり来たりしている。



「…よし、開いたわ……名前!こっちよ!早くっ!」



ちょうど目の前を通った時にギャリーは通り過ぎて曲がろうとした私の腕を掴み、部屋に入りドアを閉めた。

ギャリーはドアを閉めた後、ドアを思い切り叩く音や引っ掻くような音がしたあと静かになったのを確かめて私の頭を撫でた。



「お疲れ様、名前。よく走れたわね…あんた、そんなに体力なさそうに見えるのに。」


「…何故か、走れた。」



普段走らない私なのにあんなに早く走れるとは思わなかったのもあるし、なんで私だけ狙われていたのか分からなかったが、気にしないでおいた。

少し休んでるように言われて、私は壁によっ掛かって少し、目を閉じた。


いきなりあんなに走ったせいか、眠くて仕方がなくて、そのまま意識が遠退いていく。

ここまでどれだけ頑張ったんだろうか、私は役に立っているのだろうか、ギャリーは、どうして私を気にかけるのだろうか。


でも、何故か一緒に居て嫌な気分にはならなかった、寧ろ心地好くて、まるで一度何処かで会った様な気持ちになっていた。

……何処かで、会っていた?


それは、どういうのだろうか、いや、感覚なだけで、実際は他人、だから、きっとそんなことはない。


……ないと、思いたい。











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