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再開

数十分の後、イヴも目を覚ました。
こんな美術館で見る夢だからか、イヴも随分とうなされてた。
ハンカチを肩掛けバッグから取り出し、額に滲んでいた汗を拭き取ってあげると、イヴは弱々しくも私にお礼を言った。
イヴは夢の中で、私が死に続ける夢をみたらしい。
こんな偶然もあるのね。
私たちはしばらくその部屋でゆっくりと体を休めた。
これまた偶然、その部屋には水の入った花瓶もあったから、私たちの命と一心同体である薔薇の花もしっかり咲き誇らせておくことが出来た。
イヴは、受け取ったレモンキャンディ―を食べずにポケットにしまっていた。
『…それじゃ、体力も回復したことだし、そろそろ先に進む?ここでじっとなんてしてられないんだし!』
もちろんイヴとギャリーが大丈夫なら、と付け足したけど、二人とも準備はできていたようで、私に頷いて返事をした。
「…もう、だいじょうぶ。ユトがげんきなら。」
「アタシも二人が大丈夫なら進めるわよ。」
さっすが私の仲間。ほんの少し前に出会ったばかりだけど、それ以上の連帯感は生まれていた。
一度立ち止まってしまったことで、その絆は一層強まった気がする。…なーんてありきたりなこというつもりはなかったんだけど。
それじゃ、行きますか。


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