小説 | ナノ


Happy Valentine

今日は何の日でしょーかっ!?
……ピンポンピンポーン、そうです、ヴァレンタインディであります。
正直何度この日が来なければいい、なくなってしまえと思ったことか。
大量のお菓子を作らなければならないのが面倒でならなくて。
でもみんなくれるし作んなきゃなーって。
でもめんどい。
…そこで今日は、特別ゲストとして、なんとこの人をお呼びしました!!
じゃじゃーん!!ギャリーさんです!!
「…アンタいつまでその独り芝居続けるつもり?呼び出しといて放置ってどういうことよ?」
『…面倒なんだよー…』
「そんなこと言ってちゃ、いつまで経っても何もできないでしょ?ちょっとはやる気だしなさい、せっかくアタシが来てあげたっていうのに!」
そう、あまりにめんどいもんだから、料理上手のギャリー姐さんを呼び出してみたってわけだよ。
私料理とかお菓子作りとかもうほんとからっきしだし。
『…いっそギャリーが全部作って…』
とか呟いてたらバシコーンッ!と後頭部を激しく叩かれた。
「もう!ふざけたこと言ってないでさっさと作りなさいよ!手伝うから!」
『だからといって女の子をそんな強く叩くなんて酷いー』
「ユトはアタシの中で既に男の部類に入れてるから問題ないわ。」
『より酷い!!』
んな感じでふざけつつ、のろのろと私はお菓子作りに取り掛かった。
…ん?序盤から2回も粉をふるう?
面倒だな、もう1回で全部やっちゃえ。
とかやってたら再び後頭部に痛みが。
「そんなことやってたら失敗するわよ!?ちゃんとレシピ通りに作りなさい!!」
『…へーい……。』
面倒臭い。
でもまぁ、そんなギャリーの忠告に従って頑張ったら、どうにかそれっぽいお菓子っぽいものが出来上がった。
『カンッペキ!!流石、私天才!!』
「………。」
呆れ顔で私を見てくるギャリー。
そんなギャリーに、出来上がったブツの一つを手渡す。
「えっ…くれるの!?」
『そんな驚かなくても…私をなんだと思ってたのよ…』
「残念な変態。」
『即答とか……』
私だって分かっとりますよ、お菓子っぽいものを完成させることができたのはギャリーのおかげだっつーことは。
それのお礼と、友チョコの意味を兼ねて。
「…嬉しいわ、ユトの手作りを食べれる日が来るなんて…!」
『私だって…できないわけじゃ……』
「ユトがひとりで?ダークマター以外を作ることができるっていうの?」
『もうそれ以上私の心を抉りに来るのはやめて!?』
そう私が叫ぶと、ギャリーは私にニヤッと笑ってみせ。
「…なーんて、冗談よ。分かってるわよ。ありがとう、本当に嬉しいわ。」
そんなこと言うもんだからもう流石イケオネェ格好良いですわ。惚れる。
『え、えへへーどういたしましてー…!』
「というか…“ユトから”もらえるのが何より嬉しいわね。他の誰から貰うよりも。」
義理チョコだとしてもね?
そう微笑むギャリー。
ああもう。二の句が継げないじゃないの。

−fin−

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