小説 | ナノ


ヘタレな私が燃えるまでの

『し、失礼しまーす・・・あれ?ギャリーいない・・・』
「あ、なんかお菓子作ってる。」
暇なときに駄弁るために集まるギャリーの家。
今日は何故か、ギャリーはお菓子を作っていた。
とっても優しくて頼れて、面白いそして紳士なギャリー。
そんな彼に、私は絶賛片思い中だ。
『あっあの、ギャ』
「ギャリー!お菓子まだー?」
「今作ってんだから待ってなさいよ!」
メアリーに遮られ、キッチンのほうからギャリーの返事が聞こえる。
・・・私はヘタレだから、ろくに話しかけることすらできない。
これじゃ恋人どころか仲良くもなれない・・・。
私の横ではイヴとメアリーが仲睦まじく遊んでおり、ギャリーはキッチンでお菓子作り。
・・・どうすればいいかな、なんか居づらい・・・ん?
お、これはチャンス・・・かな?チャンスかも!
とっさに席を立ち、叫ぶ。
『ギャ、ギャリー!』
私が急に大きな声を出したせいか、辺りはシン・・・と静まる。気まずい。
「んー、何ーっ?」
『あの・・・私、手伝いたい・・・あっごめんなさい迷惑ですよね足手まとっ・・・うわっ!?』
キッチンからにゅっと顔を出してきたギャリーに本気でビビる。
「本当!?手伝ってくれると助かるわ。」
にっこり、と素敵な笑顔を私に向けてくれた。
それだけで私の胸は跳ねる。
その胸の高なりを押さえつけるようにキッチンへと小走りで移動した。
『えっと、と、ところで何・・・作ってるの?』
「マカロン。」
『・・・あ、いつものあれ、手作りだったり・・・?』
「たまにね。まあ、店で買ってきたりもするけど。」
『すっごい器用・・・だね。・・・あの、何を手伝えば・・・。』
「そうね、じゃあこっちのボールのを混ぜといてくれる?あとアタシそんなに器用じゃないわよ?」
『うわっ一体どれだけ作る気ですかこれ多すぎでしょう!』
「失敗した時の予備よ。」
・・・言われたとおり、ボールのなかの液体を混ぜる。
マカロンの混ぜ方は意外と難しい。切るように混ぜたり、すくうように混ぜたりを繰り返す。
『・・・・・・。』
「・・・・・・。」
・・・ち、沈黙・・・!あわわ、ええっと何か話さなきゃ!・・・ええっと!
「そういえばさ。」
『えっは、はいぃっっ!?』
「・・・どうしたの?」
『あ、ちょっとパニクっただけ・・・。』
「あぁ。そうそう、いきなりこんなこと聞くのもなんだけど・・・ユト、好きな人とかいる?」
『ふぇっ!?あ・・・ええと、その・・・はい。』
「ふふ、やっぱり?・・・ちなみに誰?クラスメイトとか?」
まあ、当然ながらヘタレな私が「貴方です」とは言える訳もなく。
『ち、ちがいます・・・。優しくて気遣いのできる、かっこいい、素敵な人・・・なんです・・・。』
「ふーん・・・。」
ギャリーは少し驚いたみたいに目を丸くし、そしてニヤニヤと私を見つめた。
「随分好きなのね・・・。信頼してるっていうか・・・さ。」
『ええ、大好きなんです。』
ちょっと照れるけど、笑顔を返した。そんな大好きな人とこんな近くにいられるんだから、私は幸せ者だ。ちょっと寂しいけど。
「・・・やっぱアンタは笑顔の方が可愛いわ、ユト。」
『えっ!?あ、ありがとう・・・ございます。ぎゃ、逆にギャリーは好きな人いるの?』
「アタシ?そうねぇ・・・」
しばらく考える素振りの後、私に向き直り口を開く。
「ユトと「遅いっ!!ギャリー!ねぇっまだなのっ!?」かしら?」
『えっ?』
後半は全部メアリーのヒステリックな叫び声にかき消されたけど・・・うそ・・・!?
「あっ!そういえば、途中だったっけ?早くやんなきゃメアリーがブチ切れるわね・・・。」
『もうブチ切れてます。』

最終的にマカロンは完成までに1時間以上かかった。
ブチ切れたメアリーには私のもってきてたクッキーの袋詰めを渡すことでなだめた。

『と、ところでギャリー、さっき誰って言ったの?メアリーので聞こえなくて・・・』
「あ、ああ。あれ?」
きょとんとしたギャリー。
「ユトとかイヴとかメアリーとかかしら?って答えたけど。」
ああ・・・ライクの方ね・・・。期待した分だけがっかりが大きい。
でも、なんか燃えてきた。覆してやりたい。
『ギャリー・・・ギャリーに宣戦布告っ!!』
「え?・・・え!?」
私は戸惑うギャリーをその場に残し、イヴとメアリー、2人の元へと駆け出した。
ちなみに3秒ぐらいでたどり着くけど・・・。
2人に協力要請。
絶対、絶対ギャリーを落としてみせる・・・こんなヘタレな私でもっ!

(まあ、ギャリーに猛アピールを始めるのはこのあとすぐのこと。)

−fin−

書ききったーっ!!なんか話が迷走しちゃってどうしようかと思いました。
ちなみに急にギャリーさんが好きな人聞いてきたのは、恋バナとかしてみたかっただけです。
まあおかげで吹っ切れた夢主さんが頑張り始めるんだけどもね。
ごちゃっと長くなってしまい、すみません・・・。
相互記念!リツカ様、ありがとうございました!
これからよろしくお願い致しますね☆
リツカ様のみお持ち帰りOKです。

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