小説 | ナノ


あと何秒で君を忘れられますか?

今日、私はあなたに恋をしました。

私は今日初めて恋というものを知りました。
ああ、これが恋というものなんですね。
でもよく聞く「初恋は実らない。」
ああ、これが初恋でなければよかったのに。

あなたは優しくて、一人じゃ何も出来ない私を助けてくれました。
そんなあなたに私は心惹かれました。
でも、そんなあなたは私ではなく、私の隣の女の子に惹かれていて。
あなたとイヴが話すたび、笑うたび、私の胸は締め付けられました。
苦しくて、そんなこの気持ちをあなたに言ってしまいたくて。
言えばきっと、あなたは困った顔で笑うのでしょう。
言ってもきっと、思いは実らないというのに。
それでもやっぱりあなたを好き、っていうこの気持ちが消えなくて。

イヴを守るため、命の薔薇を投げ出したあなたを見て、表現しづらい気持ちになりました。
イヴとあなたが一緒に出て、幸せになるのを見なくて済む、という安心感と。
“イヴを守るため”にあなたが命を投げ出すことが悔しい気持ちと。
そんなに愛されるイヴに対する嫉妬と。
あなたが死んでしまう悲しさと。
そして、あなたを忘れられる嬉しさと。

私の隣の女の子は絵画の少女を燃やしました。
あなたを奪われたことに対する怒りで、メアリーを殺しました。
もう、あなたは死んでしまったのに、「復讐」だなんて、馬鹿馬鹿しい。
こんなことを思ってしまうのは、やはり最後まであなたがイヴのことを愛したまま散ったからなのでしょう。
絵の先、元の世界。
私は迷うことなく飛び込みました。
イヴは、・・・イヴは、来ませんでした。
きっとあなたの姿をした何かに騙されたのでしょう。

これで、私の初恋は終わりです。きっと忘れ去ることができるでしょう。
あなたを忘れるのは悲しいけれど、苦しまずに済むのは嬉しいんです。
忘れたくない。でも早く忘れてしまいたい。
なんて矛盾した気持ち。

さようなら。


『何してたんだろう、私・・・』
なにかいろいろなことがあったような気もするのに・・・変なの。
そんなことを考えながら顔を上げ、そのまま硬直した。
「忘れられた肖像」
『・・・なんで』
なんで、こんなに胸が痛いんだろう。
苦くて切なくて、失恋の味がする。・・・恋?

そこで私はすべて思い出す

ああ、なんで忘れられなかったのでしょう
私はこれからずっとこの苦しさを抱えて生きていかなければならないのでしょうか?
溢れ出す涙と記憶を拭って背を向け歩き出す。

あと何秒で君を忘れられますか?


−fin−

お題サイトで見つけて、思わず書いてしまった失恋ネタ。
忘れられた肖像endですよ。いや、でもイヴ戻ってきてないし、一人ぼっちのイヴendかな?
・・・いや!イヴは一人じゃない!偽ャリーさんがいる!
とかいって、結局みんなをひどい目に合わせただけの、私です。
そういえばこれ変換出てこないし。
駄文失礼しました。

お題:たしかに恋だった様より

prev / next

[ back to top ]


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -