小説 | ナノ


蝶々結び

「ユトってさ、」
『え、何?』
並んで絵を描いてたら、急にギャリーが話しかけてきた。
「髪長いけど、邪魔じゃない?」
『う〜ん、なんでいきなり?』
「だって絵、描いてる時も結ばないで鬱陶しく感じない?」
『ああ、まあ。でも慣れたから気にしてないよ。』
「なんで結ばないの?」
・・・それ聞かれると困っちゃうなー。ちょっと言いづらい。
苦笑いで答えを返す
『・・・実はさ、私上手く髪結べないんだよ・・・。』
「そんな理由なの・・・。」
ギャリーも苦笑い。わかってるよ、でも本当上手くできないの。
「あ、じゃあアタシが結んであげようか?」
いきなりそんなことを言い出したギャリー。
『ええ〜?別にいいよ。』
「そんなこと言わないで。アタシが見たいんだから。ユトの髪結んだ姿がさ。やらせて?」
『でもゴムとか持ってないん』
「リボンなら持ってるわよ。」
『なんでだ・・・!』
ギャリー、君なんでリボン持ち歩いてるんですか!?
「この前ちょっといろいろあって、ブーケについてたリボン拾ったの。」
『いろいろ?』
そこですっごい暗い顔になってギャリーは続ける。
「・・・本当大変な目にあったの。青い人形とか青い服の女とかに追い回されて・・・死ぬかと思ったわよ・・・」
『トラウマ・・・なんだね。てか青ばっか。』
「あれから青い人形とかマネキンとか見るたびに・・・」
『うんごめんね、もう思い出さなくていいよ。』
「じゃ、結ぶわね!」
いきなり私に、いや私の髪に手を伸ばしてきたギャリーにびっくりして後ずさろうとして、椅子ごと後ろにひっくり返ってしまった。
「ちょっとユト、大丈夫?」
『痛っつー・・・』
「大丈夫そうね、気をつけてよ?」
椅子に座り直した私の髪をギャリーが梳く。
・・・ああ!落ち着かない!
私の髪を、ギャリーが・・・意識しすぎだ、落ち着け私。
悶々とする私。そしてギャリーは髪をまとめて一つに束ねる。
「・・・よし。出来たわよ、ユト!」
『あひゃいっ!?』
「えっ?どうしたの?」
緊張からか上ずって舌が上手く回らなかった。
そしてその恥ずかしさも相まって、顔に熱が集まる。
多分、真っ赤だ私。
「ほら、鏡。」
『えっ?あ、・・・おお!』
綺麗に蝶々結びのリボンでまとめられている私の髪。
『すげー!綺麗に・・・なんでギャリーできるのっ!?』
「普通出来るでしょ・・・」
そして一つ結びの私の髪を指に絡ませいじる。
触られてるのは髪だけなのに、私はどうしようもなく頭が爆発しそうだ。
「・・・ユト、なんでそんなに真っ赤なの?」
アタシ、何かしたっけ?とギャリーは悪戯っぽく私に笑いかけた。
『・・・ああもうわかってるんでしょ!?そんな意地悪しないでよ!』
私はギャリーから距離をとって叫ぶ。ちょっと驚いた顔のギャリー。
「え・・・あ、ごめん。怒らせるつもりじゃ、なかったんだけど・・・」
『ねぇギャリー、気づいててそういう事したんでしょ?』
そう言うと、キョトンとする。
「え?何かあったの?それともアタシに髪触られるのそんな嫌だったの?」
・・・思いっきり的外れ。あれ、知っててわざとやったんじゃないの!?
『もういい、それならなんでもないの。もう、気にしないで。』
顔に集まった熱は、もうなくなっていた。
『続き、やるよ。』
「・・・そうね、本当ごめん。・・・さっきの、アンタがアタシのこと好きなんじゃないかとか勘違いしちゃった・・・けど、それも謝っとくわ。ごめんね」
『ちょっと待ったぁっっっ!!』
「え?」
『アンタ、私がアンタのこと好きなんだって思ったの?』
そういうと気まずそうに目をそらしながらギャリーは言った。
「いや、そうだったらいいな、とか・・・思っちゃっただけ。ごめん、忘れて今の」
・・・え、そ、それってギャリーも私のこと好きだったんだって・・・受け取っていいの?
『ギャリー。私のこと好きなの?』
「え!?あっ、その・・・」
頬を赤く染めてギャリーは「そうだけど・・・」と呟く。
そんなギャリーに私は言ってあげた。再び熱が集まってしまった真っ赤な顔で。笑顔で。
『私も好きだよ、ギャリー。』

−fin−

なんかこういうの書きたかった。
普通のあの美術館知らない子と美術館から出たギャリーでやりたかった。
ギャリーが髪を結ばせてとか言い出したのも、ユトちゃんの髪触りたかったからとか、ユトちゃんに触れたかったからとか・・・だとおいしい。てか多分そう。
でも駄文。乙。
そして鈍いギャリー。普通気づかない・・・かねぇ?
ちょいとヘタレ気味の鈍いギャリーも乙。
今度はちゃんと即興じゃなくて紙に1回話書いてからこっちに書く。
そうしないとボロクソなってしまう。
ここまで読んでいただきありがとうございました!次作もよろしく!

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