小説 | ナノ


女、そしてうっすら自覚

こっからちょっといろいろ飛ばすね。
もう疲れた。色々ありすぎた。
次の部屋は、右の部屋で石像が動いて、左の部屋でかくれんぼ。
両方の部屋で手に入れた魚の一部、くっつけたら魚の鍵になって。
ニャーニャー可愛くて。
次の部屋では謎解き。
「猛唇注意」
「わすれたころに・・・」
「嘘つきたちの部屋」
嘘つきのとこでは、真実を教えてくれた茶色の服の人がほかの嘘つきたちに刺されまくってて。
泣きそうになった。本当のこと教えてくれたのに・・・私たちのせいで・・・って。
そこで数字をGet!人形が落ちてきて、そこでも数字Get!
そして、ぺっ!て最初にツバ飛ばしてきたやつの横の真っ白な絵に、ちっちゃく数字。
イヴが数字と色覚えて、私が即暗算で計算して、ドアを開ける。
なかには作り物のりんご。食べれたらいいのに・・・ってイヴと話した。
戻りの道でまた黒い手が増えて、猛唇にりんごあげて。
次の部屋。
・・・こっから元に戻します。
この部屋は、絵が、いろいろあるなー。
左から心音・・・わ、脈打った!すごーい!
この変な美術館にも慣れてきてしまった。
テンションもものすごくおかしい。
タバコを吸う紳士?心臓にぐさぁっ!てなってる絵・・・それと赤い服の女・・・
『イヴ!逃げろ!』
直感でこいつはヤバイほうの奴だと感じる。
ここにきて、どれだけこの直感に助けられたか・・・すごい頼りになります。
イヴの手をとり駆け出す。
後ろでガラスの割れる音がした。
「なっ何・・・」
『イヴ、振り向いちゃダメ!』
振り返ろうとしたイヴを制し、走って逆側まで行く。
『ちょっと・・・ここでじっとしててね?』
そしてそっと絵があった場所に近づく。
女が這い出していた。
もとはきっと綺麗な人なんだろうけど、今はただの化け物でしかない。
つか髪振り乱して・・・貞子っぽい。
と、貞子がこちらに気づき、這ってきた。
意外と速いけど、まあ逃げ切れないものでもない。
・・・あ、女の絵があった近くに鍵落ちてるじゃん。
もしかして、絵の中に鍵が隠してあったとかで、貞子が出てきた時にあそこに落ちたのかな?
もう一度赤い服の女を撒き、イヴのもとに戻って伝える。
『鍵が・・・あの女のあたりに落ちてるんだ。』
「え?じゃあどうやってとるの?」
『そこで、こちらが2人なのを利用しようと思う。私があいつをひきつけておくから、イヴがちょっと鍵取ってきてくれない?』
「えっユトが囮?でも・・・うん、分かった。」
イヴは賢い。私より体力がないのもちゃんと理解してくれてる。
『じゃあイヴ!赤い服の女が見えなくなったら取りに行って、鍵開けて!』
「うん、わたし頑張る!」
きゃー可愛いっ!よし、この子のためだ。もうひとっ走りする・・・しかないね。
貞子の前に行けば、あいつは勝手に私を追いかけてくれる。
私のこの薔薇、命を狙って。
まあ、遅いから絶対捕まらないけど?
むしろ私が待ちながらいかなきゃなんないじゃないの。
『鬼さんこちら 手の鳴るほうへ!』
そういえば、ここの作品、赤い服の女も無個性も、美術館にあったよね。
みんな動く・・・。
全く、不思議な場所だよここは。
ちょっとこの状況を楽しんでいる自分がいた気がして、考えるのを止めた。

「ユト!開けたよ!」
『よっしゃぁっ!!』
そっから全力で扉へダイブ。
次の部屋は、本がたくさんあった。

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