気づく、現実。
私の目が覚めてから早くも2ヶ月がたとうとしていた。
意外にも、傷が酷かったらしく、痕が残ってしまったらしいので、いまだに足の包帯は外せない。
看護師さんなどが見ないほうがいいって言うので、太もも近くの包帯を外したところはまだ一度も見たことがない。(一応自分の足なんだけどなぁ)
最近はリハビリを始め、歩けるぐらいまでは回復した。看護師のお姉さんがたも優しく接してくれて、とても居心地がいい。もういっそのこと、この病院に住んじゃおうかなんて思っちゃったりね!!
私が覚めた後におじいちゃんが返してくれた、ひびが入ったモンスターボール。中に入っていたカゲボウズも恐い思いをしたのだろうか、開けてからずっと私にべったりだった。
まあ、嬉しいからいいんだけだね!!
おじいちゃんは寂しかったのだろうといっていたので、そうだと思いたいなぁ。むしろそうであって欲しいという私の願望です!!いぇい!
その後、看護師のお姉さんは私に驚愕の事実を発した。
「ずいぶん寝てたわよねぇ、パスカちゃん。1年ぐらい寝たきりだったからリハビリも大変よねー」
…多分、この発言を聞いたとき思考停止しちゃってたと思う。うん…。
でもこれで、なんか大きくなってた体とか、伸びた髪の説明もつく。
え、そんなに寝てたんですか!?なんて働かない頭で絞り出した質問をすれば、だからオーキド博士も本当に心肺してたのよぉと当然のように返された。
間延びした話し方も本当に素敵ですな。うへへ
というのはおいといて!あの日からあいつに会ってない。個人的には会わないほうが嬉しいし、それでいいんだけどね!
でも、もう少し研究所の方にいさせてもらうとなると、必然的に会わなければならなくなる。
だから決めた。
私は、研究所を出ていく。
貯まったお金で他の地方に行く。
もう、研究所には戻っては行けないと思ったから。
どの地方にしようかなぁと考えながら、私はベッドで、カゲボウズと一緒に看護師さんにもらったようかんをほうばった。