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目標のアラガミは今まさに建物を捕食しようとしていた。
中に人がいるかどうかは分からないが、そう易々とアラガミに餌を与えるわけにもいかない。

一発、二発と狙撃音が響き渡り、テスカトリポカのミサイルポッドにヒット。
不意打ちにようやくアラガミが視線をゆっくりとこちらに向ける。

「俺はこのままミサイルポッドを結合崩壊させる。ラエとアイリーンは前線を、リュウは全体のサポートを頼む」
普段の無口が嘘の様に、饒舌に指揮をとるノジア。
意外だと少しだけ驚いた表情を見せるのはアイリーンだけで、ラエとリュウは目を合わせると行動を始めた。

「ぼさっとするなよ?」

「まっかせなさい!」
ラエに促され、アイリーンも目標に向かって走り出す。
待ち構えていたテスカトリポカの咆哮が響き渡り、戦いの合図となった。



戦いが始まってから数分後。
リュウからアラガミ弾を受け渡され、リンクバーストしたラエとアイリーンが弱ったテスカトリポカに飛びかかる。

「これで終わりだっ…!」

「とぉりゃー!」
ヴァリアントサイズを振り下ろし、テスカトリポカの腹肉を引きずり出すラエ。
空中で神機をプレデターフォームに切り替え、兜に食いつかせるアイリーン。
二人の攻撃が決定打となり、テスカトリポカは呻き声を上げながら地面に伏した。


「はーい! 任務完了でっす!」
ビシッと態とらしく敬礼をし、微笑みを浮かべる少女。
他の三人も構えを解き、第一フェーズの任務は何事もなく終了した。




「んじゃテントに戻るぞ。……アイリーンはどこいった?」
装甲車に乗り、いざ発進と言うところでラエはアイリーンがいない事に気づく。

「…素材回収に行ったが?」

「先に言えよ!」
後部座席に乗っていたノジアが答えれば、ラエは頭を抱えながら悲痛な想いを叫ぶ。
よくよく見れば装甲車の側でタバコを吸っていたリュウもいつの間にやらいなかった。

「ってかあいつもついてくなら一言かけろよ!」
一人ぼやきながら装甲車を降り、二人を探しに行くラエ。
取り残されたノジアはそのまま座席に体を預け、目を閉じた。

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