新年

「イーギス、あけましておめでと」
日付が変わった頃。
イーギスの自室を訪れたハクアは開口一番にそう言った。
「どうしたんですか?こんな時間に」
「……ごめん、迷惑だったかな」
驚いたようなイーギスの反応にハクアが少しだけ気まずそうに顔をそらす。
たまたまイーギスが起きていたとはいえ、今は真夜中だ。
迷惑だと思われても無理はない。
「あ、え……そ、そんなコトないです……」
だがイーギスはハクアの服を掴むと恥ずかしそうにそう告げる。
するとハクアは予想していたのか「そう」と嬉しそうに笑みを浮かべる。
「一番最初に会いたかったんだ、イーギスに。ちゃんとココにいるって確かめたくて」
微かに切なさを感じさせるようなそんな声に
イーギスが思わずその身体を抱きしめる。
いなくなってしまいそうな、そんな気がして。
「……ちゃんと、オレはココにいますから。だから、いなくならないでくださいっ」
泣きそうな声で告げればハクアは目を瞬く。
そんなコト、言われると思っていなかったのか何なのか。
「……じゃあ、頑張って繋ぎ止めておいてもらわないと」
冗談なのか本音なのか。
ハクアのそんな言葉をキョトンとして聞いていたイーギスは
その言葉の意味を理解したのか何なのか顔を真っ赤に染め上げた。




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