寡黙な男-情熱-

行為は激しさを増すばかり。


【寡黙な男】


想いを言葉で伝える勇気が無いのならば身体に刻み付けていけばいい、舌先で愛を紡ぎ、ゆっくりと這わせながら己の感情を与えていけばいいのだ。

「…ぁッ…朽木隊長…ッ私の事…好きですか?」

形の良い乳房に無数の証を残して私は其れに満たされる、此れは私の愛情の印、彼女に永遠の愛を誓うもの。

「……脚を開け」

私は問いただされた言葉に耳を傾けず行為を継続する、一つになる事で私の想いを託す、其れが私の愛情の示し方なのだ。
しかし彼女は仕切りに愛を確認する、不安そうに私を見つめ、其れによって身体は硬直して動きやしない。

「……余り苛付かせるな」

一刻も早く繋がる事に囚われた私は乱暴に彼女の脚を開かせる、下着を纏っていない女の部分は、しっとりと湿り気を帯びて私を誘惑する。

「……隊…ッ…ひゃあッ…あ…んッ」

艶やかに光る蜜を舌に絡め味わうように丹念に口に含む、特に味覚は無いが、私には其れが蜂蜜のように甘く感じた。
途切れる事を知らない彼女の喘ぎ声に私は欲を抑えきれない、挿入する事を告げずに自身を埋め込んでいく。

「…ああッ…隊長…朽木隊長…ッ」

腰を浮かせて私から逃せようとするが其れは絶対に許しはせぬ、根元まで私を導いてそして総てを私に預けて欲しい。

「…………」

律動を徐々に速め身勝手気ままに絶頂へと向かう、心の中で何度も愛の言葉を呟き、目を閉じて快感に身を委ねた彼女に抑えきれぬ愛情を漲らせた。

愛してる、ずっと此れからもそなただけを愛する。

この先生まれる感情はきっと数え切れぬ程存在し其の度に私を悩ませるだろう。

「もう、離しはせぬ」

それでも私は彼女を離しはしない、言葉では言い表しきれない確かな愛を未来永劫彼女を抱く事で伝え続けていく。
想いを伝える度胸がないのならば視線で、行動で表現する他無いのだ、彼女が言葉で愛を与えてくれるのなら、私は全身全霊で愛を与え続けていくだけの事。

饒舌な私など私では有り得ないのだ、私は寡黙なままでも決して愛は消えず生きていくのだから。



END

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