さっきまでのざわめきも嘘みたいに消えた、誰もいない放課後の教室。いつも一緒に帰ってる友達には断りをいれて、先に帰ってもらった。のこった私は一人問題集を開く。来週、英語検定があるのだ。それに向けて集中できる学校で勉強をしようと思ってるんだけど……やばい。非常にやばい。全然解けずに唸っていたら、ガラガラと教室のドアが開いた。
「どう、名字はかどってる?」
入ってきたのは、あたしが想いを寄せている相手、月島くんだった。実は今日、月島くんに英語を教えて貰っている。
「う、うん…」
「…見せてみ」
「…あ、」
月島くんはガサッと私の前からノートを手にとった。
「……」
「ど、どうかな」
見ていればだんだんと月島くんの眉間にシワができていく。不安に胸を募らせながらも、綺麗な顔だな、とか見とれちゃってる自分はもうほんと末期だと思う。
「……全部バツ」
「…ですよね…」
予想通りの返事に軽くへこんで、苦笑いをもらす。
「これ、僕たちの習う英語よりかなりレベル下なんだけど」
月島くんは呆れたようにため息をついて、私の前の席に後ろ向きに座った。結構月島くんには教えて貰ったのに全部バツって…ダメなやつだって嫌われたかな…。
「ごめん、月島くん…教えてくれてるのに私全然できなくて」
「ほんと。教えがいがない」
「うっ…すいません…」
「そんなんだから、放っておけないんだよ」
「え?今なんて…」
今の距離でもあたしにとってはすごくドキドキするのに、ふいに月島くんがゆっくりと顔を近づけてきた。これってまさか…!あたしが動けないでいると、もう鼻と鼻がつきそうなくらい近くなっていた。あたしは思わず目を閉じた。
小さくリップ音を立てて、あたしのおでこにやわらかい感触。
「期待、したでしょ?」
月島くんが今度は楽しそうににやにや笑っていた。あたしは恥ずかしさで真っ赤になりながらも意味もないだろう反抗をした。
「し、してない!てか急に…っ!!」
「そんなに真っ赤な顔でいわれてもねぇ…」
「〜!」
「いいよ、お望み通り次は…」
「へっ?…んんっ」
ぎゅう、と私の唇に押し付けられた月島くんのそれ。
いきなりこんな事されて、きっと私は遊ばれてるんだと悲しくなった。その反面、私の顔は熱くなって心臓は高鳴った。
「ん…どう?」
「ど、どうって…なんでいきなりこんな事…!!」
「なんでって…あ…問題!次の英文を訳して」
「へ?…いや、ちょっと…」
「I looked after only you for some time all the time.」
「…えっ…なに?」
「 」
信じられないくらい急展開に口が開いたままでいると、月島くんは楽しそうに笑った。それから、優しく微笑んだ。
I love you.
(I looked after only you for some time all the time)
(ずっと前から君だけをみていた)
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英検に追われてるなか妄想して出来た←
なんだこの急展開!すごい無理矢理に甘くしましたごめんなさい。
ツッキー書きやすいとかなめてましたすいません。
とにかく読んでいただきありがとうございました!!
mae ato