月の凄く綺麗な夜だった。涼しい風が吹く闇の中、彼、うちはサスケは月明かりの届かない闇の奥に消えてしまった。恋心を抱く無垢な少女と化け物をお腹に抱えた少年を残して。
甘栗甘の前で団子を頬張る私に虚ろな表情のサクラはサスケを連れ戻すためにナルト達同期の男子が後を追っていると言った。それから彼女は泣いた。仲間を捨てた彼の為に泣いた。

「きっと、大丈夫だよ」

私はそれくらいの言葉しかかけられなかったが、それくらいの言葉をかけることが出来た。本当はそんな事をしても無駄なのにと思っていた。サスケの信念は固いだろうし、憎しみはきっと彼の持つ優しさの分だけ深いからだ。
それからナルト達が帰ってきた。きっちり、5人と1匹で。病院にお見舞いにいけば、包帯だらけのナルトがいた。ナルトは諦めていなかった。仲間を捨てた彼と彼を思う仲間の為に強くなると決意していた。その為に3年間、修行にでるとも言っていた。

「きっと、大丈夫だよ」

それくらいの言葉も言えなかった。ただ泣いていたサクラとは違っていた。彼は本気で、彼は信じていて、彼は強かった。ふと、私には眩しすぎるナルトが急に揺らめいて歪んであの嫌な夜を思い出した。血の匂いと握られた手。懐かしい人の匂いもした気がした。

「絶対、大丈夫だってばよ」

ナルトの言葉は強く私の中に響いて、ナルトの手のひらは優しく私の頬を拭った。私も、頑張ろうか。
一人の家族を残した兄の為に、私は今日も生きる。







まさかまさかのサスケ妹。お相手ナルトかサスケかわからない←
ひたすら文章つまらない文にお付き合いありがとうございました\(^p^)/
名前変換なしごめんなさい





mae ato
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