「君、暗部名は…?」
おもわず口にだしてしまった言葉。だが突然の質問にも動揺することなく淡々と名前は答えた。
「暗部名ですが。」
やっぱり。こんなとこで会うはずないと…って、え…?いや今暗部名って…
「え、暗部名?」
「はい、そうです。…まあ今は名前ですけど。お久しぶりですね、カカシ先輩。」
いやいやいや。まったく、吃驚だ。また彼女に会えるなんて。というか彼女がこんなに美人だったなんて。
「なになに、カカシ知り合いなの?」
突如後ろから俺とアスマの間にアンコが割り込んできた。その言葉に返答する間もなく五代目が上機嫌で口を開いた。
「丁度いい、カカシ」
「はい」
「名前にいろいろ教えてやれ」
「…わかりました」
ちらっと暗部名…いや名前を見ると名前も此方を見ていて目があった。なのににこりとも笑わない彼女は、正真正銘、暗部名だった。
「それじゃ、そろそろ私は戻るか!名前、仲良くやれよ!」
そう言って名前の肩を叩く。それから五代目は酒酒屋の方に去っていった。
一気に騒がしくなったかと思えば名前のまわりに皆集まっていた。
「名前、お前副隊長だったのかよ! あ、俺は不知火ゲンマな」
「はい、よろしくお願いします。」
「人って見た目じゃわからない物ねー。あたしはみたらしアンコ」
「私は夕日紅よ」
「よろしくお願いします」
次々と始まってしまった自己紹介。これは長くなるな、と愛読書を開いた。数ページ進んだところで、誰かが俺の隣に座った。見れば名前だった。
「あれ、紅逹は?」
「皆さん任務に行かれました。」
「そう」
それで一人になったから俺のとこに来たのか。案外かわいいとこもあるもんだ。
「にしても、名前が上忍、ねえ」
ぱたんと本を閉じる。横目で名前を見れば彼女は姿勢よく座って前を向いていた。
「お声がかかったんです。五代目から。」
「五代目が…か。ま、またよろしくな」
今度はきちんと顔を向けて微笑んでみた。でもやっぱり名前は笑わない顔で、少し頭を下げた。
「よろしくお願いします」
また彼女と任務ができる点
((名前は変わらないな…))
((カカシ先輩、変わったな…))
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