今日も朝から賑やかな木の葉の里。老若男女、人の声がして、時折吹く風は心地が良い。忍者学校へと駆ける子供達を微笑ましく思いながらも、俺も上忍待機所へと向かう。片手に愛読書のイチャイチャタクティスを開きながら。


「おーい!カカシ!」

ふと聞き慣れた声が俺を呼んだ。なんだと振り返ると、昔馴染みのアスマがいた。彼は煙草をくわえ駆け寄ってきた。

「珍しく今日は早いな」

がははと豪快に笑うアスマに横目を向けパタンと本を閉じる。

「今日入る新人の紹介があるからな。…五代目も来るみたいだし。」

「ははっ、五代目にはかなわねーってとこか」

「あのね…」

更に笑うアスマに苦笑いを溢す。

「しかし、今日来るやつ、暗部あがりらしいな。…めんどくせーやつじゃなきゃいんだけど。」

そう言ってアスマは深く煙を吐き出した。暗部あがりか…。確かに、暗部から上忍になるやつは冷淡で堅苦しいやつが多い。…ま、俺も人の事言えないかったどね。なんにしろ、上手く馴染めればいいんだけど。
考えてれば、暗部時代の記憶がうっすらと蘇る。後輩の中で、気にかかってた子が一人いた。暗部名と呼ばれていた彼女は俺の小隊の中で唯一のくの一で、腕は文句なし。そして、まさに冷淡で堅苦しいやつだった。

「おい、カカシ、」

記憶を辿っていたらふとアスマの声で我にかえった。どうやら待機所に着いたらしい。

「アスマ、カカシ、おはよう」

入り口に向かえば紅が出迎えた。

「もう綱手様いらしてるわよ」

そう言って俺達を奥へと促す。中へ入ればもう皆揃っていて、俺とアスマで最後だったみたいだ。

「よし、揃ったな!…では、今日から上忍になる、名前だ!」

朝からよくとおる声で五代目がきりだした。その隣に佇む、名前の方に顔を向ける。俺と同じ銀色の長い髪をした、およそナルト達と変わらないくらいの綺麗な子だった。珍しい色の銀髪は、どこか見たことある気がした。確か、暗部名も…

「はじめまして。暗部副隊長からこの度上忍となりました、名字名前です。」

透き通った声で淡々と話す名前はますます暗部名に似ていた。…まさか、ね。



彼女と再開した点

(君、暗部名は…?)
(暗部名ですが。)




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