「 どうして … どうしてこんな事したの 、 リドル 」 彼の目の前でゴロリと横になっている 嗚呼、 死 ん で い る 。 ただ倒れているだけで血も出ていない。 なのに死んでいると分かったのは彼が杖を持っていたから。 この世界では人を殺すなど造作も無い事だ。 たった一つ 死の呪文、アバダ―― 嗚呼、言うのは止めておこう。(思った瞬間無言呪文とやらで出しかねない ) まぁとにかくその呪文を言えばいとも簡単に倒れてしまうのだ。 生を奪うのは余りにも簡単だった。 生を失うのは余りにも簡単だった。 そして彼らもその通りに呆気なく死んでいったのだろう。 「何って、邪魔な奴らを排除しただけさ。」 ―― 嗚呼、 貴方は 「 僕が怖いかい? 」 ―― 狂ってしまった 。 真紅の瞳が私を射貫く。 前はあんなに綺麗な色だと思っていたのにもう血の色にしか見えない。 怖い、怖い 蛇に睨まれた蛙の様だ。 「僕から逃げ出したい? 」 足が、 動かない―― 。 「 無駄だよ。 キミは僕から逃れられない 、 僕が放さない 」 耳元で囁かれた貴方の声。 こんな場所でなければ素直に喜べただろうに! 強く抱きしめられた体。 余りの強さに痛い、 体が悲鳴を上げる。 狂気に包まれた彼、 まるで別人だ。 瞳が赤黒く、鈍く光った。 ―― 嗚呼、何が貴方を狂わせてしまった? 「 君が悪いんだよ、 」 ―― え? 「 君が僕以外の奴らと仲良くしているから悪いんだ」 ――― 貴方を狂わせてしまったのは私 ―― 「君は僕のモノだ。誰にも渡さない 」 ―― ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい、 「この世界をあげるよ。あぁ、このままじゃ駄目だね。こんな汚らわしい世界。 キレイにしなくちゃ、 マグルも―― 僕と君以外、皆いらない、消えるべきだ。」 ―― 貴方を狂わせてしまった 。 「そうしたら君は僕のところ意外に行くところがないだろう? ずっと、 僕の傍にいて ――― 、 」 純粋、 故に狂う (嗚呼、神様。どうか彼を―― )(もう戻れない ) bark |