思うのよ。 あなたはたった一人で私に刃向かっているけど私には皆がいる。 貴方は何故私を嫌うのかしら? 魔女を認めないのは何故? 嗚呼、言われなくても分かってるわ。このゲームが嫌なんでしょう? 人が死んだくらいで貴方は泣き喚くけれど所詮は唯の駒。チェスに置かれたポーンやキングとは名ばかりの唯の駒に過ぎない。 それを貴方は一つ取られた位で何故そんなにも必死になるのかしら?まさか駒を一つも取られずゲームをやっていけるとでも?無理よ、そんなのゲーム詰まらない。 両者が追い詰めあい最後の最後まで詰める。それがゲーム。違うかしら? 貴方は私の対戦相手なのに駒を一つも取られず戦おうとしてる。救いきれないものを救おうとする。多少の犠牲は当然でしょう?何を無駄なことをしているの。だから貴方は駄目。いつか勝つと言っておきながら行動は矛盾している。だから貴方は弱いの。 「随分な言われようだな」 「本当のことを言っただけよ」 色々言ったけど貴方の事、結構好きなのよ? 魔女を認めない姿勢、その行動。 でも魔女を認めなかったらその魔女と話している貴方は何なのかしら? 見ている光景は?景色は?貴方は? 魔女が存在しないのなら貴方はどうなるんでしょうね。 貴方は魔女を否定したいが為に自分の身も削っている。 それは貴方のためなのかしら?それとも誰かのため? そんな誰かなんて此処にはいやしない。 「そして貴方と話している私も…」 「どうしたんだ?」 この世界のすべてを否定している。 まるで貴方は此処にいるのに此処にはいないという風に。 じゃあ此処は何処? 私は誰? 「いいえ、何でもないわ」 考えたところでどうにかなるわけでもないし。 私はカップに入ったココアにマシュマロをいれて混ぜた。 熱々のココアに飲み込まれるようにして消えるソレを見て私は笑った。 きっと私も、そして貴方も 誰かに楽しまれるように作られているのかと。 苦いココアにマシュマロを入れて甘く甘く 私のお腹の中に消え去った。 bark |