薔薇を求める君



突然の停電、
視界が真っ暗になったと思ったら
突然の浮遊感。

なにこれ、こわい、こわい。


「ギャリーっ!!」

「リサッ!!」

ものすごいスピードで移動する。
体は何かに強く掴まれているのか痛かった。

離れていく声に不安が募る。
私は怖くて目を強く閉じた。




どこまで移動したのだろう、
階段を上ったのがすごく揺れが酷かった。。
ようやくスピードが落ち、静止したところで私は目を開けた。


「あ、無個性…」

私はネクタイをした男性の無個性の脇に抱えられていた。
ゆっくり下ろされ、少し乱暴に扱ってしまったことに対して頭を下げている。
もっとも頭なんてものはないけれど。

一回深呼吸をし気分を落ち着かせる。
あぁ、怖かった。
あんなの久々だわ。
周りを見渡すといたのはさ青い人形が書かれた絵画の部屋だった。


「で、どうしたの?」

『はい、この先の隠し通路を入った先の部屋にゲルテナ作品集が置いてあるのですが
 メアリー様は手をつけれないようなのでリサ様に頼みたいとのことです』

あぁ、そういえば聞き耳の絵画があったところにそんなものがあったような。
別の通路もあるんだしわざわざここから入いらなくてもいいと思うんだけど…

「この近くにメアリーがいるのね?」

『はい。現在は隣の部屋にいらっしゃいます。このままいくと下の階へ向かわれるかと』


メアリーが、

そっか、もう近くにいるんだね。


「オーケー、分かった。
 一度連絡しなきゃと思ってたの。ありがとう。」


私はキーホルダーを外し、蓋をあける。
聞き耳の絵がかかれたほうを耳に当て、告げ口に囁いた。


「メアリー、メアリー」

無個性の男が知らせに来てくれたということはメアリーにも分かっているはずだ。

少しすると声が返って来た。


『リサっ!久しぶり!』

「元気そうね、メアリー。そっちはどう?」

『イヴっていう子と友達になったのっ』

「へぇ…イヴ、ね」

『ねぇ、リサ』

「なに?」

少しトーンを落とした声に疑問思いながら聞き返す。


『私、外に出たい。』

あぁ、

「その話は会ったら2人でじっくりしましょ」


彼女は薔薇を求めているんだ。

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