俺のこと、本当に好きなの? ボランティアじゃないんだから、好きでもない奴と付き合うほど暇じゃないわ。 好きなら態度で表して …愛って、誰にでもわかるように表さなきゃ伝わらないような気持ちなのかしら… お前のこと、よくわからない …あんたなんて、こっちから願い下げよ…! * * * * * …眩しい。カーテン、隙間開いてる… 嫌な夢見た…気がする… あぁ、今何時?目が開かない…アラーム鳴った?…あ…今日土曜日か…。 体、ダルい。昨日飲み過ぎたから?どんなに飲んだって二日酔いしたことなんてないのに… あれ、なんか、重い…?寝返りうてない。疲れてんのかなー… うっすらと、重い瞼を開く。まばたきを繰り返し、視界がだんだん正常になっていく… 最初に目に入ったのは、頭の横につかれた腕。包帯を巻かれた、細いけど締まった右腕…。はっきりしない意識の中、その腕を伝って上を見る。 強く鋭い、吸い込まれそうな瞳と目が合った。 「…起きた?」 「………」 - 状況 - 朝起きたら見知らぬ男が馬乗りになっていました。 「…うわぁあぁ―〜ッ?!」 「いって!」 瞬時に折り曲げた右足を男の胸の辺りに狙い定めて蹴り飛ばした。ベッドの向こうに吹っ飛んでいく男に背を向けて頭を抱える。 だっ、誰あれ誰あれ?!昨日の合コンにあんないい男いた?! ……いい男? じゃなくてッ!!! …ていうか妙に静かだけど…大丈夫かな? 恐る恐る、ダブルベッドの上を四つん這いで移動する。 「…いってー…瘤できた…」 頭をさすりながら、片膝立てて床に座り込んだ男… 「………誰…?」 「…雪那」 「なっ、なんで名前…」 「胸はだけてるぞ」 「わぁあぁッ?!」 胸の下まで外れたシャツのボタン。バッと隠した瞬間、男はかすかに笑った…ッ! よっこらしょ、とか言いながら立ち上がり部屋から出ていく男。呆気にとられながらその姿を目で追っていると、部屋を出た足音はリビングへと入っていった。 あぁ…思い出した…。 |