「…朽木隊長」
「…お前の好きにしろ」

近くで私と副隊長の話を聞いていた朽木隊長に問えば、答えにならない答え。

「…隊長は参加なさらないのですか?」
「各隊、出場は隊長か副隊長どちらか一人という制限がある。くだらん祭に出る気はない」
「それなら…」
「だが一応全員欠席不可の行事だ。会場には出向く」
「…」
「欠席は不可。新人は試合参加必須。…全力を出すような試合ではない。会場には私もいる…問題はないだろう」

つまり、行かないわけにはいかなくなってしまった。



* * * *

「よっし、今年こそ優勝するからな!全員気張ってやれよ!」

気合十分の阿散井副隊長に少し気圧されながら、周りを見渡せば数え切れない死神の数。十三隊が一同に集う行事だけあって、周りは熱気に溢れていた。

「あそこが舞台だ。各隊5人の代表の勝ち星の数で勝敗が決まる。トーナメント式で、最後まで勝ち進めば優勝だ」

阿散井副隊長が説明してくれた。中心に舞台が設置されていて、その周りを各隊の死神が取り囲んでいる。

「舞台から落ちたら失格だ。だいたいの奴がそれで決着つけるな。殺しはなし。相手の動きを封じるか、気絶させたら勝ちだ。危険な動きがあれば即、舞台の周りに配備された隠密機動に取り押さえられる。下手すりゃ処分もあるから気をつけろ」

安全対策は講じてあるようだけど、死神同士の戦いが何事もなく安全に進むのか少し不安を感じた。
一通り説明を終えた阿散井副隊長は代表の選手を集めた。皆が円になって集まり、阿散井副隊長が最終確認を始めた。

「順番は事前に決めたとおりだ。先鋒・横山、次鋒・黒野、中堅・橘、副将・朝倉、大将は俺。全員いるかー?」

副将……朝倉…?



『今日の引率を努める、語廷十三隊六番隊十二席・朝倉だ…』




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