俺は信じない | ナノ


▼友達


それにしても続々と人が
集まるもんだな。400人
近くいるのか?




「うわ〜!
スッゴいね!」




ん?俺より小さいな。
こんな子まで試験受ける
んだな。それより、隣に
いる金髪は…。
まさか…




『…クルタ族』

「ん?君も受けるんだよ
ね」

『あ、あぁ。まぁな』



ビビった…。聞こえた
のかと思ったぜ…。
それにしても、毒気を
抜かれる笑顔だな。
まぁ、弟みたいな奴
だな。




「俺は、ゴン。君は?」

『俺はユエ』

「ユエさんか、珍しい
ね。女性でハンター
目指すなんて」

「『……え』」





気付いたのたっていう
のか?まさか、この格好
で…?俺が女だと…。




「ゴン、失礼だぞ」

「そうだぜ、確かに顔は
中性的だがよ」




…っておい、こら
サングラス。お前失礼な
奴だな。




『否、ゴンの言う通り
だ。俺は女だ。中身
はな、見た目は別と
して。あと、俺の事は
呼び捨てで良い。他人
行儀は嫌いでよ…』

「マジで女かよ…」

「……」




何だよ、その驚き様は。
ある意味ショックなんだ
が…。一応、これでも
女だっつーんだよ。




『で、サングラスと
クルタ族は?』

「!」




…何か俺、おかしい事
言ったか?




「…何で、それを」


『ん?あ〜…、何て
言ったら良いんだろう
な。ん〜…、簡単に
言えば同じ境遇で難しく
言えば俺と同じ匂いが
するって事』





ゴンは、首を傾げて
いた。まぁ、そういう
反応だよな。




『コレだよ』




俺は右目を覆う髪を
掻き上げてから、
コンタクトを外し
俺自身の家族を思い
浮かべた。




「ユエ、その目…」

『碧の瞳』

「私と同じなのか…」

『あぁ、厄介なもんが
身体にあるよ』




苦笑しながら説明した。




「私はクラピカ。君の
言う通り…、クルタ
族だ」

「サングラスじゃねぇ、
レオリオってんだよ」

『そうか、よろしく
3人とも』

「ねぇ、ユエ。一緒に
頑張ろうね」




屈託のない笑顔で
言われると、流石と
いうかやっぱり毒気を
抜かれるな。それが、
ゴンの良い所なんだろう
な。





『あぁ』

「今日から俺達は
友達ね!」

『そうだな』





この年になって、友達が
出来るとは思わなかった
な。それより、俺にも
友達出来んだな…。















友達

(…信じられるよな)