俺は信じない | ナノ


▼おかえり



俺はさっきから同じ所を
行ったり来たりして
いた。何故?理由は
簡単、ゴン達がまだ
帰って来てない!




「…ユエ、落ち着いたら
どうだい?」

『これが落ち着いて
いられるかっての!
怪我とかしてなきゃ
いいが…』

「ユエ」

『!』




扉の開く気配。ゴン
達か!そう思って扉の
方を見るとそこにいた
のは、今にも死にそうな
奴。血をダラダラと垂れ
流し、足取りもフラ
ついている。反射的に
俺はそいつから目を
逸らした。昔を見ている
ようで…。




「ユエ」




ヒソカに呼ばれて振り
向くと、肩にポンと手を
置かれた。そして、安心
させるようにリズムを
取る。




「ゴン達なら大丈夫。
トンパって奴が何か
やらかしてない限りね」

『…だよな』




ますます、解らなく
なった。殺人狂の
ヒソカがこんな優しい
言葉をかけるのか?
解らない…。




ゴゴ…




『!』

「来たかもよ




来た。ゴン達の気配だ。
ホッと一安心だ。




「行っておいで

『あぁ、暖かく迎えて
やらねぇとな』

「泣くのは我慢しなよ?
ユエ

『泣かねぇよ、多分』




急いで俺は、ゴン達の
元へ向かった。




「「ユエ」」

『ゴン!キルア!』




2人が走ってくるのを、
両手を広げて待つ。そう
すると、2人は俺の腕の
中へと飛び込んできた。




『…おかえり』

「「ただいまッ!」」




2人はニコッと笑って
いた。




「ユエ」

『クラピカもおかえり』

「ただいま」

「お、ユエ」

『レオリオ、おかえり』

「おう、ただいま!」




コイツらがこんな時間
食ったのはやっぱり。




『トンボ、だっけ?』

「トンパだよ!」

『何でもいいや。俺は
仲間に手ぇ出すな、
なんて生温ぃこたぁ
言わねぇ。仲間の邪魔
しやがったらそん時ゃ、
明日の朝日は拝め
ねぇと思え。

解ったな




そう言うと、トンパは
首降り人形の如く首を
縦に降った。




「…ユエを怒らしちゃ
いけねぇな」

「「あぁ」」




そう誓った4人だった。
こうして、無事三次試験
終了。














おかえり

(皆、無事で良かった)