俺は信じない | ナノ


▼三次試験


飛行船の中でキルアの
葛藤を見て、昔の俺と
重なった。何故、殺し屋
家業の俺達はこんな
想いをしなきゃならない
んだ。それが、嫌であの
家を俺は出たんだ。




「ウィリア、着いたみたい
だよ」

『あぁ』




飛行船から下ろされた
所は何にもない塔の
てっぺんだった。




『何だ、ここ』

「高いね」

「結構な」





何だ、ここ。地味に高い
じゃねぇかよ。落ちたら
確実に死ぬだろうな。




「ここを生きて下に
降りるって」

「壁伝いに降りるか?」

『そりゃ、止めといた
方がいいぜ』

「なんで?」

『そっから下見てみな』




ゴン、レオリオは下を
見た。そして、みるみる
顔が歪んでいく。まぁ、
人が変な生き物
(バカでっけぇ鳥だけど)
に喰われてる様なんて
見たら誰だってこうなる
よな。




『これでもそっから
降りるか?』

「「降りない」」




賢明な判断で。さて、
どう降りるかな。




『ん?』




床がここだけ何か
おかしい。軽い
っつーの?まぁ、乗って
みっか。




『っと』




ガコン












落ちたよ。否、絶賛
落ちてるのか。




『食ったもん出そう…』




何つーか、この圧迫感?
ヤベ、マジで出そう…。




『あ、下見えた』




やっとか、やっとか
このやろう。なげえじゃ
ねぇか。




『っと』




着地成功。つか、
どんだけ俺下に落ちた
んだ?それよりリバース
しそうなんですケド…。
ぉえ。




『ん?何だコレ』




俺の目についたのは
1つの立て看板。




「おめでとうございます
あなたが選んだ道は一番
攻略が簡単で早く
ゴールに着くルート
です!ラッキーでした
ね♪」

『……』




うっぜええぇぇ。


喧嘩売ってんのか、あ?
最後の音符何だ、確実に
いらねぇだろ。文句あん
なら言ってみやがれ。
このヤロウ。それと…




『簡単なルートねぇ…。


この坂がか




明らかにめんどくせぇ
だろ、この坂。ったく
よぉ…。冗談じゃねぇ。
俺は律儀に足で下りる程
健気じゃないんでな。




『倉庫(ストック)』




俺は倉庫(ストック)から
スケボーを出した。
走って降りたら
疲れんだろ。否、何より
めんどくせぇ。




『レディ…、ゴー!』




掛け声と共に俺は坂を
スケボーで滑り降り
始めた。












三次試験

(結構長ェな)