俺は信じない | ナノ


▼一次試験


一次試験はただサトツ
さん(あ、試験官な?)の
後をただひたすらに
ついて行く。それだけ。
シンプル極まりない内容
だが、普通の人にゃ
ちぃっと厳しいかな。
サトツさん歩いてるだけ
なのに競歩選手並みの
速さだから。結局、
走らなきゃなんねぇし、
体力や持久力のねぇ
奴等はここで次々と
リタイアだ。あ、また
1人。




『…ご苦労さん』

「余裕そうだね、ユエ」

『テメーもな』




コイツが俺に絡んでくる
理由がわかんねぇ。
ヒソカって奴は訳
わかんねぇ。




「ユエ、余所見してる
と転ぶよ?」

『っと。え、そう
なのか?俺、今まで
転んだ事ねぇから
わかんねぇや』

「…だろうねぇ☆」




まぁ、いいや。少し
ペース上げるとする
かな。前遅いし。




『じゃ、ヒソカ。
お先に』

「うん、後でね




少しペースを上げただけ
なのに数十人抜いて
先頭にいた。ん〜…、
俺遅い方なんだが。←
あ、ゴンとキルアだ。
…今のちいせぇ子達は
タフだなぁ。




「あ、ユエさん」

「ユエ姉」

『よ、何2人知り合い
だったのか』

「さっき知り合ったんだ
よ」

『そうか』




キルアに同い年位の
ダチがいて良かった。
俺の二の舞にはさせたく
ねぇ。




「ユエ姉、息乱れて
ないね」

『お前等もね』

「ユエ」

『お、クラピカ。
…レオリオ』

「何だ!!」

『良い年しながら
頑張ってんだな…』

「バカ野郎!俺はまだ
19だ!」


「『え!?』」




嘘だろ…。人は見掛けに
よらねぇっては言うが
これ程とは…。



『マジかよ…』

「よっし!ゴン、競争
しようぜ!」

「いいよ、お昼を
懸けて」




ハッハァ、元気だねぇ。
ま、後少しでゴール
だし。



『…ちっと本気出すか。
んじゃ、お先』

「あぁ」

「おう!」





せぇ…のッ!





ダッ





「「!?」」





『ゴメンな、キルア、
ゴン。お先』

「ユエッ!?」

「ユエ姉!?」





この時の俺は、俺より
後にゴールしたヒソカに
後ろから抱き締められる
とは思ってもいなかった
のだ。












一次試験

(離れろ!変態!)