白いスカートとリボンが翻って、それは見間違いかと思った。いつも鬱陶しいくらいに重たい色しか好まない彼女が、息を弾ませて向日葵畑の横を駆け抜ける。またきっと大好きな兄さんでも追い掛けているのかと視線をずらせばその先には何もない。

「ベラルーシ!」
「なんだ!?」

珍しく大きな声で返事が来た。鬱屈とした瞳がきらきらと陽光と同じように輝く。

「何してるんだい?」
「虹だ」
「虹?」
「虹の根本に幸せが埋まっているんだろ」

私はそれが欲しい、それを兄さんにあげるんだ
迷わず足を動かす彼女の後ろに続く

「なんだ、ついて来るなお前にはやらないぞ」
「ははっ、いいんだよ」

俺の分は全部君にあげるから、それでいいんだ
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