マシュマロの日
見て見て、と彼女が持ってきたのは、それはカラフルなマシュマロだった。いかにも海外製品といった感じのピンクに黄色、それに青。薄い色とはいえ、青い色の食べ物に思わずあぁ、うん……とだけ返事をする。
「マシュマロ、好きなんだよね」
そんな俺の気も知らず、彼女はマシュマロを口に入れ、にこにことご機嫌だ。
「もうさ、この柔らかさに包まれてたいよね。絶対気持ちいいじゃない?」
まぁ、分からないではない。そういえば彼女の冬用の部屋着ももこもこのふわふわだったのを思い出した。
「お前、柔らかいの好きだよな」
「こう……ふわふわしたものとか、むにむにしたものとか、ずっと触ってたいというか……うーん、癒し?」
癒し……なるほど、確かにと思った。それなら、と俺は彼女を抱き寄せる。突然のことに抗議の声をあげる彼女。
「むにむにしたものはずっと触ってたいだろ?それは俺も同じなんだが」
「やだ、杢太郎さん、柔らかくないもん」
「ひでぇなぁ」
笑いながら抗議をしてくる彼女に、俺も笑いながら更に抱き締めた。


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