オレンジデー
「お前、これ好きだったろ?」
そう言って手渡された小箱に入っていたのは、オランジェット。
「うん、大好きだけど、どうしたの?」
菊田が突然プレゼントをくれるのは今に始まった事ではない。結構マメで、イベントや記念日毎にプレゼントをくれる。じゃあ今日は何のイベントだったか、記念日だったかと思い出そうとするも思い当たらない。首を捻る私に、菊田はオレンジデーだから、と説明してくれた。でも私は何も用意してないし、どうしようかな……。

夕飯後、片付けを終えてからソファーに座る菊田の隣へと移動する。
「きーくた」
振り向いた菊田に、私はオランジェットを口に挟んで差し出した。
「ちょっ、お前何を」
「おへんしへーのおはへし」
愛を確かめ合うんだし、このくらいしてもいいかなって思ったんだけど、菊田は何故か片手で顔を覆いため息をつく。
「お前、オレンジの意味知っててやってんのか?」
「ん?」
「ま、どのみちもらっていいんだよな?」
あ、これ、まずいスイッチ入れちゃった感じ?今更焦ってみても、当然手遅れだったのは言うまでもなかった。


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