ミートソースの日
「ミートソースってさ」
夕飯時、フォークでくるくるとスパゲティを丸めとりながら私は口を開いた。
「食べるの難易度高くない?」
「難易度?なんだ、それ」
キラウシは食べながら首をかしげる。
「たぶん、カレーうどんの次くらいの難易度だと思うんだよ」
「だから、難易度ってなんだ?」
キラウシの疑問に、私は無言でキラウシの服を指差した。
「ん?これ……シミ?」
「そう、ソース、飛ばない?」
キラウシの作ってくれた手作りのミートソースは美味しい。本当に美味しいんだけど、どうしてもちゅるんと食べた瞬間にソースが飛ぶことがある。だからミートソーススパゲティを食べる時は、カレーうどんと同じく白い服は厳禁なのだ。そしてカレーのシミ同様にトマトのシミも落ちにくい。でも美味しいから食べたい。
「難易度って、そういうことか」
納得がいった顔をしたキラウシは、少し考えてから口を開いた。
「なら、ミートソースはグラタンかドリアにするか。ショートパスタと合わせてもいいし」
それなら飛ばないだろう?と言ったキラウシに、思わず天才と叫んでしまった。


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