コロネの日
「ねぇ、有古くん。チョココロネってどっちから食べる?」
「チョココロネ、ですか?」
うん、と頷く彼女が見せてきたのは、確かにチョココロネ。しかし唐突な質問の意図が分からず首を捻った。
……もしかして心理テストの類いだろうか。
どうやって食べるか、と聞かれたのだからそれを答えればいいのだが、普段はコロネなど食べないので思わず考え込んでしまう。
尖っている頭の方から食べると、反対側からチョコがはみ出してしまいそうだ。しかし逆から食べると、頭の方はチョコが入っていなかったはず。いや、そもそも尖っている方は頭と呼んでいいのだろうか。
「ええと……こっちから食べる事が多い、です」
チョコの見えている方を指差して、そう答えた。
すると彼女は、そうかぁ、と言って、一呼吸置いてから同じだねと笑う。
「よかった、有古くんと同じで」
彼女の言葉にポカンとしてしまった。
「あの、心理テストとかじゃないんですか?」
「え、違うよ」
きょとんとした彼女を見て、考えすぎた自分に呆れる。
「はい、今日ははんぶんこ……ねえ、コロネのはんぶんこってどうしたらいい?」
新たな疑問に、今度は彼女と二人考え込んでしまった。


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