「トキヤ今日暇?」
「…私が暇に見えますか」
「ですよねー」
手に持った資料で頭をパシパシ叩かれる。
地味に痛いですトキヤさん。
「だってせっかくの誕生日じゃんかー!お祝いぐらいさせてよ私彼女だよ!?」
「この歳になってまで誕生日を祝うのですか貴女は?馬鹿ですか?脳天気ですね?」
「くっ……」
トキヤのナイフみたいに鋭い言葉が心にグッサグサ刺さる。さすがの私でも怯みそうだよ!!
「じゃあトキヤは私の誕生日祝ってくれないんだ。へえ」
「そんなこと一言も言っていないでしょう」
「いーや!なーにがこの歳になってまで誕生日祝うのですかーだ!!!もう二度と祝わないからこのカタブツ!バカトキヤ!」
チラッと顔を盗み見るとすごく焦った表情。
そうそう、後悔してよね、可愛い彼女様のお誘いを断るから悪いんだからね
「……すみません」
「何に対して」
「…なまえの好意を無下にしたことに対して、です」
「お祝いさせてくれる?」
「…ええ」
「お祝いしてくれる?」
「……えぇ、」
「ん、ありがと」
仲直りのちゅーね。
そう言って私はトキヤに触れるだけのキスをした。
一ノ瀬トキヤ生誕祭