ワタシハ・ヒミツキチ
 洗面所にむけて吐きだしたものは胃液と汚物のまとまった吐瀉物と涙と汗と、罵声だった。ひたすらに言葉を紡ぐ唇、そして全身は震えて震えて、腐りそうだ。

 ああ、きもちわるい。きもちわるいきもりわるいきもちわるいきもちわるい、きもちわ、るい。

 鏡の前の私は安っぽい服と化粧で着飾った、ただのビッチでしかない。どこにでもいる女。一言愛の言葉をささやかれればころっとおちるような、安っぽいですむ、女。替えはきく。そんな女だ。(だから浮気なんてされんだよこのファッキンビッチ)

 鏡の前の私。気持ち悪い。
 
 だから私は中指を立てるの。

 そうしてはじき出された答えと一緒に、ひねりっぱなし、だしっぱなしにされた水と一緒に、薬指で光るそれをながしてしまえば、ああ、もうお、し、ま、い!


 どうしたの。

 遠くでそう聞こえて、私は鏡越しに映る彼に向けて、くすり指にはなにもないその手で、親指を逆さに向けた。








タイトルおよび詩や表現抜粋など
http://ニコニコ/sm9830682:ワタシハ・ヒミツキチ/ショミ様(般P)


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