カムパネルラ
※NLではないけど男女の話


 夜の街灯もまばらな、田舎の田んぼ道を、わたしは何も考えずにひたすら歩いていた。昼間は夏の太陽が降り注ぎ、緑の稲の葉が風にゆらゆらと揺れる。蝉の鳴く声。スカイブルーの頭上に、真っ白な入道雲。夜になれば、紺碧の空に輝く白い光がはっきりと見え、少ししっとりとした夜風が、木々を揺らす音。蛙の鳴き声。

 全ては何もかも、いつもどおりだった。なのに、なのに、なのに。

 最近まであの子と一緒に網と手製の釣り竿をもって、魚を取りにきた小川で、わたしのあるいていた道は行き止まりになった。わたしは、小川の土手に座り、中に手をいれ、覗き込んだ。


 ぽたり、と垂れる雫を、汗だとおもいたかった。
 それは、涙。

 一度泣いてしまえば、大粒の涙が、滝のように溢れ出し、音色を奏でながら、川に吸収されていった。

 涙の行方をみれば、真っ赤に腫れた、自分の目が水に反射して鏡のように写る。そして、わたしの顔のうしろに入り込む、天の川。


「あ、あ、あ…っ、は」

 漏れる嗚咽を止められないまま、わたしは空をみあげた。

 カーブを描いて星が乱立する天の川。星ひとつひとつが、わたしには君とみた魚のようにみえたんだ。


(…『銀河の、サカナ』)



 ねえ、君にもの凄くあいたいんだ。君は、『銀河のサカナ』をみているんでしょう?なら、わたしにもみせてよ。ああ、あああ、あいたいよ。あいたいよ。サカナになってしまった君に、









『』は一文歌詞より引用させていただきましたので、『』をつけさせていただいてますが、単語や表現など多数引用部がありますのでご注意ください。

タイトルおよび詩や表現抜粋など
http://ニコニコ/sm8639738:カムパネルラ/sasakure.UK様(ささくれP)


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