brand new days





「……ん、はぁ…っ…。」
「…入れてもだいぶ痛がらなくなってきたな。」
「……うん……。」



正直、痛くなくなってきたどころの騒ぎじゃない。


やばい。ほんとにやばい。超気持ちいい。
痛いっていうか、むしろ気持ちいいしかない。

あれ以来、放課後毎日のように勝威さんと会っている。部屋に行った日も必ず泊まるわけじゃなくて、施錠の前には帰ったり帰らなかったり。それか俺と縁の部屋に来て高遠さんと4人でご飯を食べるとか、勝威さんが図書室で本を読んでる横で自分の勉強をしていたりとか。

つまり、すこぶる順調だってことだ。


「……たかおみ、足あげて。」


そういえば結局呼び方は「勝威さん」で定着してしまった。タメ口っていうのはもう随分慣れたんだけど呼び捨てだけはどうしてもしっくりこなくて今まで通りで許してもらった。

先輩と後輩から恋人同士に変わったって言っても、なんていうか。関係性まで変わってしまうわけではないから。立ち位置まで無理に変えてしまうような気がして、なんとなくそれは自然じゃない気がした。


「…あっ…!や、あ…っ!ああぁっ!」


それはそうとして。

回を重ねるごとにどんどん気持ちよくなっていくこの行為に完全に頭沸いてるんじゃないかなって思う。

「気持ちいい」っていう感情で頭がいっぱいになって、快楽に対する抑えがきかない。まるで自分じゃないみたいだ。そういえば会っているときも会っていないときも、勝威さんのことしか考えてない。大丈夫か、俺。


「……たかおみ、ここがいい…?」


本を読んでいるときも、ご飯を食べているときも、セックスのときも。どんなときでも勝威さんは当たり前のようにかっこいい。

「好きだ」っていうフィルターがかかっているとしても、それでも一緒にいるのが申し訳なるくらいに。

なにもかもうまくいっているときですら不安になる性格をどうにかしたい。問題が無いにこしたことはないんだから、今はただ与えられたものを大事にしながら日々を過ごせばいい。

そう言い聞かせても、やっぱり目を逸らせないこともある。


「……あ、やぁ…っいく…っ!しょういさん…!」


勝威さんのことを想うたびに考えるんだ。


どうしてこの人は俺なんかのことを、好きになってくれたんだろう。








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