…というわけでシフト終了後、着替えをしてすぐに客席に座った。左手でさっくんとでこくん、右手でさっきゅんを引っ張って。

「…おいなまえ、離せ」

「ちょっとだけ付き合ってー。みんなにご主人様って言ってもらえたら帰るから!」

隊長、早速こーちゃんを発見しましたー。というわけで呼んでみた。

「如何なさいました、ご主人様?」

「きゃあああああ!」

「うっわ、ちょ、なまえおま、鼻血」

「ほら、取り合えず鼻にティッシュ詰めろ、早く」

でこくんとさっくんが大量のティッシュをくれた。お礼を言って流血を抑えた。向こうからゆーくんがやってきた。片眉がひくひくしてる。

「何をしている、なまえ」

「ゆーくんご主人様って呼んで下さい」

「…ご主人様は一体何をしておいでで?」

「そういう執事もアリだよね…!」

あ、また鼻血が。やばいね、出血多量で倒れるんじゃないの私。

「あ、先輩来たんスか?早いっスねー」

「ふわああなるくんかっこいいね…!」

「あ、おい成神確か奥にボックスティッシュあったよな?持ってきてくれ」

「?あー…分かりました。ちょっと待っててくださいね、ご主人様ー」

はっとした表情でさっきゅんが私の顔に大量のティッシュを押し付けた。グッジョブさっきゅん。鼻栓が飛ぶところだったよ。

「お前ら遊んでねーで働け…って何やってんの」

「あ!あーくん…!お願いしますご主人様って呼んで下さい!」

「は…?…ご主人様?」

聞き終えた瞬間になるくんの顔とティッシュの箱が見えた。おお、間に合ってよかった。もう一日目に、悔いなし、かな。

目が覚めたら保健室の天井が見えたことは、言うまでもない。


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