隣のテーブルで接客しているさっきゅんの声を聞きながら、自分が接客されている気分に浸っていた。わあ、幸せ。

「…なまえちゃん、聞いてる?」

「はーい、聞いていませんよー、ご主人様!」

そうだろうなとばーんくんが笑い出した。何やらぐらんくんが話していたらしい。がぜるくんがアイスを食べながら鼻で笑っていた。

「ところで…何でかつら被ってるの?」

「ゆーくんの趣味で」

「無いほうがいいな。俺はそのままのなまえちゃんが好きだよ」

「そうですか、ありがとうございますご主人様。私もそのままのご主人様が好きですよー」

途端。ぐらんくんが後ろに倒れた。ごちんという痛そうな音がする。がぜるくんがアイスを落とした。ばーんくんが飲んでいたコーラを噴き出した。れーぜくんが顔を赤く染めた。えーと、…みんな大丈夫?

「…何してるのよ」

「しのぶちゃん!あのね、よく分かんないけどみんなが大変なの!」

因みに私とおそろいで執事の格好をしたしのぶちゃんはとっても男前である。

「なまえが、なまえが俺のこと好きって」

ぐらんくんは信じられないものを見るように私を見ている。しのぶちゃんは面倒くさそうに小さく溜め息を吐いた。…ううむ、私何か悪いことしたのかな。とか思ってたら向こうからさっくんがこっち来いと呼んでいた。はいはーい!と返事をしてそちらへ駆け出す、としのぶちゃんに此処片付けてから行きなさいと怒られる。うむう、何でみんな喧嘩を始めてるの。エイリア学園のご主人様方、店内での必殺技の使用はご遠慮くださーい!


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