「みんな、がんばってね!絶対勝ってね!あーくんの鎖骨とさっきゅんの腹チラとこーちゃんのお弁当を何としても死守してね!」

「…分かったから泣くな鬱陶しい」

試合前。私のスクールライフが懸かった大切な試合だというのに、皆すごく面倒くさそうにしていた。いやいやいや私が居なくなったらそれなりに寂しいと思うよ?転校だからね?…まあ皆勝つ気はあるみたいだからいいけどさ。さあ、いつものようにシャッターチャンスを待ちますか。



「ばーんくんがぜるくん目線こっちー!…あ、やったああさっきゅんの太ももげっとー!」

「ベンチに戻れなまえ!」

「あーくんの腹チラああああ!」

「うるせえっつってんだろ!」

「…もしかしてこれ毎日…?」

「残念ながらその通りだ」

しのぶちゃんがレッドカードを取り出した。…うう、最近多いなあこれ。でも退場じゃあ仕方ない。渋々戻るとファイルを渡された。むう、またお仕事か。



因みに試合は帝国の勝利。点差は一点だった。…危ない危ない。今日も無事私の萌えは守られた。そしてたくさんの写真を手に入れた。今日は素敵なシャッターチャンスがたくさんあったなあうへへへとか考えてたらゆーくんにカメラを取られてしまう。

「別に転校しても良いんだぞ?なまえ」

「ゆーくん返してー!あーくんの鎖骨ー!」

「…またそんな要らんものを撮っていたか…」

「返してくれないとこの帝国選手データ詳細をネットにばらまきますからねー!」

「あ、いいなそれ俺にもちょうだい」

「勿論ぐらんくんにもあげるー!」

「まてなまえ!…仕方ない、返してやろう」

「やったー!」

改めて、今日もあーくんの鎖骨とかさっきゅんの腹チラとか太ももとかうなじとかその他諸々は守られた。めでたしめでたし。


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